今年の秋は、印象派の秋。
都内各美術館で、印象派をテーマにした展覧会が開催予定です。
そんな中で大本命も大本命なのが、
東京都美術館の “マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展 「印象、日の出」から「睡蓮」まで” !
印象派を代表する画家クロード・モネが86歳で亡くなるまで手元に残したコレクション、
言うなれば、モネのプライベートコレクションから選りすぐりの約90点を紹介する展覧会です。
展覧会の目玉は何と言っても、「印象派」 という言葉の元にもなった傑作 《印象、日の出》 。
クロード・モネ 《印象、日の出》 1872年 油彩、カンヴァス
Musée Marmottan Monet, Paris© Christian Baraja
(注:東京展展示は9月19日から10月18日まで)
マルモッタン・モネ美術館を代表する作品ゆえ、滅多に貸し出されることは無いそうです。
東京に来日するのも、実に21年ぶりのことなのだとか。
とは言え、2009年には、名古屋市美術館に来日しています。
僕と 《印象、日の出》 とのファーストインパクトの感想は、その時の記事を読んで頂くとしまして。
今回の展覧会では、二度目ましての対面。
さすがに、この6年の間に、星の数ほどの美術品を目にしてきたので、
“あの時ほどは、感動しないだろう・・・”
と、覚悟をしていたのですが。
やはり、傑作と言われるだけあって、今回も新鮮に感動しました。
6年前と同じく、朝日が水面に反射した箇所の描写に新鮮に感動しました。
ただ、若干気になったことが。
画面に当てられた照明のせいなのでしょうか。
はたまた、作品そのものが光を放っているのでしょうか。
あまりに画面が光っているように感じられて、
実物であるはずなのに、一瞬iPadの画面なのかと思ってしまいました (サイズ感もあいまって)。
ちなみに、 《印象、日の出》 が展示されるのは、10月18日まで。
その後は、代わりに 《ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅》 が展示されるようです。
クロード・モネ 《ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅》
1877年 油彩、カンヴァス Musée Marmottan Monet, Paris© Bridgeman-Giraudon
(注:東京展展示は10月20日から12月13日まで)
こちらも傑作との呼び声高い一作。
立派に 《印象、日の出》 の代役が務まる作品です。
さてさて、 《印象、日の出》 以外にも、見逃せない作品がたくさんありました。
例えば、モネの代名詞とも言うべき 《睡蓮》 。
今回のモネ展には、6点も出展されています。
1903年の 《睡蓮》 や、
クロード・モネ 《睡蓮》
1903年 油彩、カンヴァス Musée Marmottan Monet, Paris© Bridgeman-Giraudon
1907年の 《睡蓮》 の穏やかな感じもイイですが。
クロード・モネ 《睡蓮》
1907年 油彩、カンヴァス Musée Marmottan Monet, Paris© Bridgeman-Giraudon
個人的には、晩年近くに描かれた抽象画のような 《睡蓮》 に、心を揺さぶられました。
クロード・モネ 《睡蓮》
1917-19年 油彩、カンヴァス Musée Marmottan Monet, Paris© Bridgeman-Giraudon
ちなみに、展覧会のラストの部屋は、
クロード・モネ 《日本の橋》
1918-24年 油彩、カンヴァス Musée Marmottan Monet, Paris© Bridgeman-Giraudon
このような抽象画テイストの晩年の作品で満たされています。
僕は、晩年のモネの絵のロックな感じが好きなので、嬉しい展開でしたが。
普通のモネ展 (?) を期待していた方には、少々刺激が強いかもしれません。
また、モネのプライベートコレクションということもあり、モネが描いた作品だけでなく、
モネがコレクションしていた絵画の数々も展示されているのも、見どころの一つと言えます。
ウジェーヌ・ドラクロワ 《エトルタの断崖、馬の脚》
1838年 水彩、紙 Musée Marmottan Monet, Paris© Bridgeman-Giraudon
さらには、モネが10代の頃に描いていたというカリカチュア (風刺画) の数々も展示されています。
クロード・モネ
《劇作家フランソワ・ニコライ、通称クレルヴィル》
1858年 鉛筆、紙 Musée Marmottan Monet, Paris© Bridgeman-Giraudon
鼻がデカかったり、あごが尖っていたり、おでこが異様に広かったり。
針すなおに匹敵するくらいの悪意がありました (笑)
今年の芸術の秋で一番盛り上がることは間違いない展覧会です。
作品も良かったですし、構成も良かったですし、
何より、《印象、日の出》 が素晴らしかったですし。
ただ、どこかちょっとだけ満たされなかった感じがあります。
光を感じられる作品が少なかったから??
まぁ、でも、3ツ星でしょう。
ちなみに。
今回のモネ展のオフィシャルキャラクターとして、
あの田辺誠一さんが描いた 「かっこいいモネ。」 が採用されています。
ホームページなどで使われるだけかと思いきや、いろいろとグッズ展開されていました (笑)
マカロンにもなっています。
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マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展
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