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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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歌麿・英泉・北斎 礫川浮世絵美術館名品展

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礫川浮世絵美術館の突然の閉館から、早1年半―。

“あぁ、あの貴重な礫川浮世絵美術館コレクションを目にすることは、もう叶わないのか・・・”

そう嘆き悲しんでいた全国の浮世絵ファンの皆様、朗報です。
本日より太田記念美術館で始まった展覧会、
“歌麿・英泉・北斎 礫川浮世絵美術館名品展” で、あの浮世絵の数々がまとめて展示されています。
ちなみに、歌麿、英泉、北斎の3人の名前がタイトルにありますが、
それ以外にも、広重や国貞や国芳など、さまざまな浮世絵師の作品が紹介されています。

おそらく、このようにまとまった形で、
東京で礫川浮世絵美術館のコレクションが紹介されるのは、これが最後になるであろうとのこと。
礫川浮世絵美術館にお世話になった方も、
礫川浮世絵美術館を訪れたことが無かった方も、この貴重な機会は絶対に逃してはなりません!
星星星


礫川浮世絵美術館の浮世絵コレクションの一体どのあたりが、それほどまでに素晴らしいのか。
それに関しては、礫川浮世絵美術館のラスト展の記事で、
さんざん語り尽くしたので、そちらをお読み頂ければ幸いです。

さてさて、1年半に礫川浮世絵美術館の浮世絵コレクションと出合ったわけですが。

浮世絵  浮世絵
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


改めて、やはり美しかったです。
あまりに色と線が繊細すぎて、思わず息を止めてしまったほど。
もちろんガラスケースで守られているのですが、
それでも自分の息がかかって、この繊細さを台無しにしてはいけない、と無意識に息を止めていました。
おかげで観終った後は、軽く酸欠状態です (笑)


歌川広重の 《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》 を筆頭に、

大橋


本当に、どの浮世絵も摺りや彫りが素晴らしかったのですが。
特にガツンと衝撃を受けたのが、歌川芳虎のこちらの浮世絵です↓

歌川


襟元にご注目。

空刷り


この空摺 (今でいうエンボス加工のようなもの) の見事さたるや。
日本が世界に誇る職人芸です。


ただ、あまりに色が線が美しいため、たまには弊害も (←?)。
こちらの鈴木春信作の浮世絵を、パッと見て・・・

春信


普通に、“美しい浮世絵だなァ” とうっとりしていたのですが。
女性が右手に持っているものに気づいて、驚愕。
タイトルを見て、もう一つ驚愕。

丑の刻


《丑の時参り》 を描いた浮世絵でした。
うっとりしちゃ、ダメ。ゼッタイ。


前期は、10月25日まで。
後期は、10月30日より始まります。
後期には、いよいよ礫川浮世絵美術館が誇る喜多川歌麿の 《当時三美人》 が出展されるようです。

喜多川歌麿「当時三美人


こちらの 《当時三美人》 は初摺ver.。
初摺ver.の 《当時三美人》 は、現在確認されているのは、世界にたった2点だけ。
大英博物館が所蔵するものと、そして、こちらの礫川浮世絵美術館が所蔵するものだけ。
激レアです。




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