今年でめでたく25周年を迎えた水戸芸術館。
それを記念して、10月18日まで、“カフェ・イン・水戸 R” が開催されています。
“カフェ・イン・水戸” は、アートをきっかけにして、
水戸の街に人びとがカフェのように集い、交流するプロジェクトとして、2002年より不定期に開催されています。
復興 (Revive)、記憶 (Recollection)、再生可能エネルギー (Renewable energy) など、
いろいろな意味が込められた 「R」 が付いた今回の “カフェ・イン・水戸” で、ちょうど5回目となります。
水戸芸術館の館内に出品している作家は、以下の9組。
アレグザンドラ・ダン、大塚千野、佐々木愛、志村信裕、
日比野克彦、宮永愛子、目【め】、柳家花緑、山下麻衣+小林直人 [敬称略]
水戸芸術館の学芸員さんが選りすぐっただけあって、9組とも見応えがあったのですが。
個人的に印象に残っているのは、
まず冒頭で紹介されていたアレグザンドラ・ダンのインスタレーション作品です。
アレグザンドラ・ダン 《ダンシング・ソーラー・フラワーズ》
太陽光が差し込む展示室一面に、
アレグザンドラ・ダン設計の太陽光発電を利用したカラフルな動く花、約600輪が咲き乱れていました。
ちょうど僕が訪れた日は快晴だったので、花たちは元気に揺れていましたが。
曇りや雨だと、元気がないときもあるとのこと。
これから行かれる予定の方は、是非、水戸の天気予報もチェックしてみてください。
ナフタリンでオブジェを制作する宮永愛子さんによる、
蝶々とハシゴをモチーフにしたインスタレーション 《Rebirth -空中空-》 も、印象的な作品でした。
宮永愛子 《Rebirth -空中空-》
暗闇に浮かび上がるナフタリン製の蝶々。
蝶々の一部は、すでに昇華し、少しずつ原型が消えています。
そんな蝶々たちの姿を見ていたら、脳内であの曲が再生されました。
繊細で美しいけど、どこか怖い。
そういう作品です。
暗闇に浮かび上がると言えば、志村信裕さんの作品も印象的。
志村信裕 《光の曝書(俳諧一葉集 全9巻)》
こちらは、水戸のゆかりのある俳人・幻窓湖中の著書 『俳諧一葉集』 (本物!) に、
木漏れ陽の映像をプロジェクションした幻想的な味わいの映像インスタレーション作品です。
映像作品とはいうものの、映像自体に特に大きな動きがあるわけではありません。
なのに、なぜか、ずーっと観てられる。
不思議な作品です。
どちらかと言えば、綺麗なオシャレな作品が多く展示されている気がしましたが。
中には、オモシロ系 (?) の作品もありました。
個人的にオススメなのは、山下麻衣+小林直人の2人による 《How to make a mountain sculpture》 シリーズ。
山下麻衣+小林直人
《How to make a mountain sculpture - Japanese mountain (剣岳)》
丸太の上に彫られているのは、山脈の地形。
合わせて展示されている写真と見比べてみると、その正確さに驚かされます。
“・・・・・って、あれ?写真に写っているのは、もしや??”
そうなのです。
写真に写っているのは、山下麻衣さんと小林直人さんの2人です。
しかも、丸太に彫刻をしています。
実は、こちらの作品。
写真を見て、それを基に丸太に彫刻した作品ではなく、
現地に行って、実際の山脈を見ながら、彫刻した作品なのです。
つまり、写真は制作風景を写したものというわけです。
なんと無謀な (笑)
さてさて、今回の出展作品の中でもっとも印象的かつ衝撃的だったのは、
昨年の資生堂ギャラリーでの “たよりない現実、この世界の在りか” の記憶も新しい目 【め】 の作品。
目【め】 《レプリケーショナル・スケーパー》
今回も、例によって、凝りに凝った作り込みようです。
ネタバレをふせぐため、多くは語りませんが。
タイトルにある 「スケーパー」 の意味がわかった瞬間、思わずニヤリ、ヒヤリとさせられます。
乞うご期待。
と、全体的には、大変楽しめたのですが。
一つだけ残念だったのは、ダニエル・ビュレンヌをはじめとする、
水戸の街なかで展開されていた作品が、一足先に9月30日で終了してしまっていたこと。
10月に行ってしまったので、そちらは見られず。。。
街なかのアートもあって、“カフェ・イン・水戸” です (泣)
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カフェ・イン・水戸 R
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