~前回までのあらすじ~
“お、じゅうようぶんかざい以上。コクホウ” を求めて、日本中を旅してまわる国宝ハンター・とに~。
2015年秋は、「福井県の国宝完全制覇!」 を目標に掲げ、福井県を巡ることに。
順調に2件の国宝をゲットするも、3件目にして早くも暗雲が・・・。
果たして、無事に完全制覇は出来るのか?!
鯖江駅から自転車で約1時間20分くらいかけて、劔神社に到着。
こちらにある国宝を目指して、境内を散策します。
どうやら、こちらの宝物殿にお目当ての国宝はある模様です。
「え~っと、“拝観希望の方は社務所受付” と。なるほど」
社務所受付へと向かい、国宝を拝観希望する旨を宮司さんに伝えました。
すると、宮司さんから予想外の言葉が。
「あ~、今は、ここにはないよ」
「えっ!!!!!」
「歴史資料館に貸し出してるよ」
なんと、織田文化歴史館なる施設に貸し出しているとのこと。
神社の中には、そのポスターも貼られていました。
展覧会の開始日って・・・3日前じゃん!
(注:この国宝ハンターロケは、10/6に行いました)
おそるおそる織田文化歴史館の場所を訪ねると、「神社の裏だよ」 と教えられました。
ん?もしかしたら、意外と近いのかも。
意外と、というか、本当に神社の裏でした。
この織田文化歴史館の真ん前にあるのが・・・
劔神社。
・・・・・・・・・・。
「国宝、来ます。」 というポスターのせいで、一瞬ヒヤッとさせらましたが。
あのヒヤヒヤ感を返してほしいものです。
ご近所同士で、何戯れてるんだ、と言いたい。
とにもかくにも、 《梵鐘》(ジャンル:工芸品) をゲット。
帰りも、もちろん約16㎞の道のりを走破して、鯖江駅に帰着。
時刻は14時15分。
この時点で悲しいかな、5か所目まで巡るのは、絶望的になりました。
しかし、4件目の国宝は、何としてでも確実にゲットしなければなりません。
ということで、敦賀駅を目指します。
こちらでも、駅前でレンタサイクルをゲット。
約9㎞先にある常宮神社を目指します。
先ほど往復で32㎞走破したせいでしょうか、感覚が完全にバカに。
約9㎞がまったく苦ではなかったです (笑)
若狭湾の景色を楽しみながら、
常宮神社へと到着しました。
こちらにあるのは、国宝の 《朝鮮鐘》(ジャンル:工芸品) 。
朝鮮半島から渡来した鐘では国内最古のもので、
豊臣秀吉の命により、大谷吉継の手で常宮神社に奉納されたのだとか。
さて、そんな常宮神社の 《朝鮮鐘》 。
昔はオープンに拝観出来たようなのですが、
今は、なんやかんやあって、オープンには拝観できません。
(どうしても理由が気になる方は、「常宮神社 朝鮮鐘」 でググってみてください)
今回は、事前に拝観させて頂きたい旨を、電話で伝えていたのですが。
なんと、宮司さんが社務所にいません!
電話してみると、出かけてしまったので、あと30分待ってほしいとのこと。
仕方がないので、若狭湾の砂浜で宮司さんを待つことに。
30分経過
宮司さんが、やってきました。
国宝の 《朝鮮鐘》 を拝観させて頂く前に、《朝鮮鐘》 に関して、いろいろとお話を伺うことに。
そこから、なぜか話がいろいろと脱線。
いい意味で宮司さんらしくない宮司さんで、話が異様に盛り上がってしまいました。
若狭湾の原発に関しての話や、宮司さんが30年かけて育てた境内の植物の話、
宮司さんが好きなテレビ番組が 『情熱大陸』 や 『カンブリア宮殿』 である話も飛び出します。
気づけば、国宝を見ぬまま、1時間半が経過していました (笑)
さすがに、当初の目的を思い出して、いよいよ 《朝鮮鐘》 とご対面することに。
それはそれは、とても立派な姿をしていました。
・・・・・が、とんでもないことに気が付いてしまいました。
「あれ、宮司さん、なんか鐘にビッシリ落書きされていないですか?」
「たぶん江戸時代に誰か観光客が落書きしたんだと思うよ」
「マジっすかwww」
「まぁ、いつの世も、誰かが一回落書きすると、他の人も落書きしちゃうからなぁ。
金具がところどころ無くなってるのも、誰かが取って持って行ったんだと思うよ」
「だいぶ盗まれましたね (笑)」
《朝鮮鐘》 は、昔からいろいろと苦難の多い国宝だったようです。
この時点で、外はすっかり真っ暗に。
福井県の国宝完全制覇は、達成できませんでしたが。
その分、面白い人と出会えたので、後悔はありません。
いい旅でした。
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第百八話 国宝ハンター、待ち続ける!
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