ちょっと変わったパブリックアートのプロジェクトがあると聞いて、愛知県岩倉市にやってきました。
なんでも、「音」 と 「コミュニティ」 をテーマに制作されたパブリックアートが歩道に点在しているのだとか。
さぞかし、オシャレなロードなのかと思いきや・・・
普通のロード、何でも無いようなロードでした。
その全長1㎞ほどのロードに8点のパブリックアートが設置されています。
音のアートと言ったら、この人は外せない (?) 藤本由紀夫さんの作品や、
越後妻有アートトリエンナーレの常連・渡辺泰幸さんの作品もありました。
そんな中、もっとも異彩を放っていたのが、こちらの作品です。
新・無料で観れる 美術百選 054 島袋道浩 《未来の思い出》
制作したのは、島袋道浩さん (島袋と書いて、 「しまぶく」 と読みます)。
片方の眉毛を剃ってヨーロッパを旅したり、
明石で生まれたタコに東京見物の旅をプレゼントしたり、
良くも悪くも、ヘンテコなパフォーマンスばかりしている現代アーティストです。
そんな島袋さんが制作したパブリックアート。
一体、どんな作品なのか気になるところです。
しかし、どう見ても、ここにあるのは台座。
とても作品には思えません。
それも、かなり汚れてしまっています。
実は、この台座の上にはかつて、このようなペンギンのオブジェが設置されていたそうです。
ある時には、紙粘土の銅像が設置されていたり、
また、ある時には、歌の入ったカセットテープが置かれていたり。
島袋さんが、時々、この岩倉市にやってきては、台座の上をいろいろと変えているのだそうです。
そう。
つまり、この台座こそが、れっきとした作品。
パブリックアートは不変のものである
という常識を打ち破った、コペルニクス的な発想で制作されたパブリックアート。
ある意味、禁じ手的なパブリックアートなのです。
島袋さんの狙いとしては、島袋さん本人だけでなく、
住民の皆さんやここに来た人が、台座に何か作品を設置したり、
パフォーマンスするのも、OKなのだとか。
というわけで、この作品を、先日、名古屋で開催したアートツアーの一環で紹介した際に、
堂々と台座の上に乗ってみました。
島袋さんの作品の上で解説する僕もまた、アートの一部です。
<無料で観れる美術 データ>
岩倉市シンボルロード
住所:愛知県岩倉市
アクセス:○名鉄犬山線「岩倉」より徒歩7分
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新・無料で観れる 美術百選 《岩倉市シンボルロード(愛知県岩倉市)》
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