横浜美術館で開催中の “横浜発 おもしろい画家:中島清之―日本画の迷宮” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、横浜を拠点に、大正・昭和に活躍した日本画家・中島清之の16年ぶりとなる回顧展。
青年期から最晩年まで、画稿やスケッチを含む約180点が紹介されています。
ちなみに、日本美術界の第一線で活躍する中島千波氏は、中島清之の三男にあたります。
中島千波氏に 「桜の画家」 という異名があるように、中島清之にも異名がありました。
それは、「変転の画家」。
長い画業の中で、画風が変遷する画家は少なくないですが。
中島清之ほど、画風が変遷した画家はいないのではないでしょうか。
細密な描写の日本画を描いていたかと思えば、
(写真左:《蓮池》 写真右:《胡瓜》)
銀座の街並をモチーフにしたモダンにアレンジした日本画を描いていたり、
(写真左:《銀座B》 写真右:《銀座A》)
アンフォルメルの影響を受けた抽象的な作品を描いていたり、
(写真左:《古代より(一)》 写真中央:《古代より(二)》 写真右:《顔》)
中島清之を生涯の師と慕った片岡球子を彷彿とさせる作品や、
どことなくエゴン・シーレを彷彿とさせる作品も描いていたり。
あまりにコロコロと画風が変遷するため、展覧会を見終った直後に、
「・・・・・で、誰の展覧会を観たんだっけ??」 と思ってしまったほどです (笑)
ただ、画風こそ違うのですが、
センス (ユーモアのセンスも含めて) は一貫しており、ブレていなかったような気がしました。
そういう意味でも、“おもしろい画家” としか形容の出来ない画家でした。
“おもしろい画家” のおもしろい作品は、多々ありましたが。
やはり一番インパクトがあったのは、《喝采》 です。
《喝采》 1973(昭和48)年 横浜美術館蔵(中島清之氏寄贈)
このタイトルで、ピンと来た方もいらっしゃるでしょうが。
昭和を代表する名曲 「喝采」 を熱唱するちあきなおみさんを描いた異色の一枚です。
ちあきさんの特徴的な顔立ちに魅了された中島清之は、
テレビに映る姿をスケッチし、ついには歌謡番組の収録に実際に足を運び、作品を完成させたのだとか。
ちあきさんをネタにした (?) のは、コロッケだけではなかったのですね。
ちなみに、コロッケのものまねとは違って、ホクロは強調されていませんでした。
また、俵屋宗達や尾形光琳をはじめ、
多くの日本画家がモチーフとして描いてきた 《雷神》 の中島清之ver.もインパクト大の作品です。
なぜかテンションが高め。
深夜の通販番組に登場する外国人のような印象を受けました。
たぶん、手にしている鉄アレイ (?) を使えば、
「俺みたいなマッチョマンになれること間違いなしだゼ!!」 とかなんとか言っているのでしょう。
もちろん 「おもしろい=Funny」 作品だけでなく、
「おもしろい=Interesting」 な作品も、多々ありました。
個人的にお気に入りなのは、来年の干支である猿が描かれた 《和春》 。
猿もいいのですが、画面全体にビッシリ描かれた金網の表現に驚かされました。
こんなにも細部まで忠実に描く必要があるのだろうか?!
もはや偏執的なレベルでした。
必見!
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、横浜を拠点に、大正・昭和に活躍した日本画家・中島清之の16年ぶりとなる回顧展。
青年期から最晩年まで、画稿やスケッチを含む約180点が紹介されています。
ちなみに、日本美術界の第一線で活躍する中島千波氏は、中島清之の三男にあたります。
中島千波氏に 「桜の画家」 という異名があるように、中島清之にも異名がありました。
それは、「変転の画家」。
長い画業の中で、画風が変遷する画家は少なくないですが。
中島清之ほど、画風が変遷した画家はいないのではないでしょうか。
細密な描写の日本画を描いていたかと思えば、
(写真左:《蓮池》 写真右:《胡瓜》)
銀座の街並をモチーフにしたモダンにアレンジした日本画を描いていたり、
(写真左:《銀座B》 写真右:《銀座A》)
アンフォルメルの影響を受けた抽象的な作品を描いていたり、
(写真左:《古代より(一)》 写真中央:《古代より(二)》 写真右:《顔》)
中島清之を生涯の師と慕った片岡球子を彷彿とさせる作品や、
どことなくエゴン・シーレを彷彿とさせる作品も描いていたり。
あまりにコロコロと画風が変遷するため、展覧会を見終った直後に、
「・・・・・で、誰の展覧会を観たんだっけ??」 と思ってしまったほどです (笑)
ただ、画風こそ違うのですが、
センス (ユーモアのセンスも含めて) は一貫しており、ブレていなかったような気がしました。
そういう意味でも、“おもしろい画家” としか形容の出来ない画家でした。
“おもしろい画家” のおもしろい作品は、多々ありましたが。
やはり一番インパクトがあったのは、《喝采》 です。
《喝采》 1973(昭和48)年 横浜美術館蔵(中島清之氏寄贈)
このタイトルで、ピンと来た方もいらっしゃるでしょうが。
昭和を代表する名曲 「喝采」 を熱唱するちあきなおみさんを描いた異色の一枚です。
ちあきさんの特徴的な顔立ちに魅了された中島清之は、
テレビに映る姿をスケッチし、ついには歌謡番組の収録に実際に足を運び、作品を完成させたのだとか。
ちあきさんをネタにした (?) のは、コロッケだけではなかったのですね。
ちなみに、コロッケのものまねとは違って、ホクロは強調されていませんでした。
また、俵屋宗達や尾形光琳をはじめ、
多くの日本画家がモチーフとして描いてきた 《雷神》 の中島清之ver.もインパクト大の作品です。
なぜかテンションが高め。
深夜の通販番組に登場する外国人のような印象を受けました。
たぶん、手にしている鉄アレイ (?) を使えば、
「俺みたいなマッチョマンになれること間違いなしだゼ!!」 とかなんとか言っているのでしょう。
もちろん 「おもしろい=Funny」 作品だけでなく、
「おもしろい=Interesting」 な作品も、多々ありました。
個人的にお気に入りなのは、来年の干支である猿が描かれた 《和春》 。
猿もいいのですが、画面全体にビッシリ描かれた金網の表現に驚かされました。
こんなにも細部まで忠実に描く必要があるのだろうか?!
もはや偏執的なレベルでした。
必見!
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