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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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第百九話 国宝ハンター、酔う!

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前回までのあらすじ~
 2種類の人間がいる。
 国宝をハントしちゃう人と、しない人。
 ハントしたい国宝をハントしてきた人生。
 おかげで痛い目にも遭ってきた。散々恥もかいてきた。
 俺はこれからもハントしちゃうよ。

 “ハントしちゃえ”KOKUHOU



2015年10月。
国宝が、また一つ増えました。
京都府八幡市にある石清水八幡宮の本社だそうです。

いやいや、5月に松江城が国宝に昇格したじゃん!
もう今年は国宝増えなくていいじゃん!
せめて増やすなら、春と秋の2回にわけなくてもいいじゃん!!


以上、文化庁への不平、不満、恨み、つらみをお送りしました。
ということで、のんびりしていると、ゴールがその分遠のくようです。
急いで、国宝をハントせねば。
そこで、リニューアルオープンしたばかりの静嘉堂文庫美術館へ。

静嘉堂


こちらでは、現在 “金銀の系譜 ~宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界~” が開催中です。
展覧会の目玉は何と言っても、約3年にも及ぶ長い修理期間を終え、
実に10年ぶりに公開される 《紙本金地著色源氏物語関屋及澪標図〈宗達筆/六曲屏風〉》(ジャンル:絵画) 。
修理のおかげで劇的に美しくなっていました。
ありがたや。


そして、先日は山梨へ。
降り立ったのは、勝沼ぶどう郷駅です。

駅  ぶどう


こちらの駅から、徒歩で国宝のあるお寺を目指します。

ぶどうとワインの町だけあって、ぶどう畑があたり一面に広がっていました。

ぶどう


・・・・・・ただ、時期が時期だけに、ぶどう畑は枯れまくっています。

ぶどう  ぶどう


そんな光景を見ながら、30分以上は歩いたでしょうか。
気が滅入ること、この上なかったです。

そうこうしているうちに、ようやくお目当ての大善寺に到着しました。

ぶどう


またの名を (?) 、ぶどう寺

「ぶどう寺って何さ??」 と頭にクエスチョンマークがよぎりましたが。
こちらの御本尊である薬師如来が、左手にぶどうを持っていることが、のちに判明しました。
5年に1度ご開帳とのことで、次回は平成30年だそうです。
ぶどうを持った仏像が気になるという方は、是非!
重要文化財ですけれども。


さてさて、そんな薬師如来が安置されている国宝の本堂を目指します。
拝観料は500円とのこと。
しかし、その他に 「グラスワイン拝観800円」 という気になる拝観システムが!

迷わず、そちらを選択しました。

ワイン


とりあえず、国宝ハンターなので、ワインの前に国宝を。
近藤勇が甲陽鎮武隊として、その前で戦ったとされる歴史ある山門を抜け、

山門  山門


急な傾斜の階段をのぼりきれば、

怪談


関東周辺では最古の木造建築とされる 《大善寺本堂》(ジャンル:建造物) の姿がお目見え。

大善寺


まぁ、うん。
特に感慨は無く。
強いて言えば、屋根の上にちょこんと乗っている形がかわいかったです。
それくらいしか感想はありません (笑)


参拝し、内部で日光・月光菩薩像や十二神将像を拝観し、下山。
そして、お楽しみのワインを、庭を眺めながら頂きました。

ワイン  庭


なんと、こちらは大善寺の自家製ワインとのこと。
さすが、ぶどう寺!

ワイン


味は・・・僕の好みのタイプでは無かったです。

予定では、このまま駅に戻って、次の国宝を目指し、
その後、アートテラーとして、山梨県立美術館を初訪問しようと思っていたのですが。
大善寺のワインが、自分的にはイマイチだったので、
自分のお気に入りのワインを、どうしても勝沼で探さないと気が済まなくなってしまいました
酒好きの性、発動です。

ワイナリー

  わいアリー


ワイナリーを巡っては、試飲につぐ試飲。
当初の予定をすっかり忘れて、気づけば2時間が経過していました。
(↑しかし、すっかりほろ酔いなので、そのことに気づいていない!)

さすがに、このままではマズいと思ったのは3時間後。
大急ぎで次の国宝のある駅を目指します。
山梨県立美術館は諦めました (笑)


勝沼ぶどう郷駅から東山梨駅へ。
無人駅です。

東山梨


駅前に、国宝の案内がありません。
駅員もいません。

途方に暮れていると、民家のようなお店のような建物に国宝への地図があるのを発見!

民家  地図


地元の人、どうもありがとうございます!!


この地図を頼りに、国宝のある清白寺へ向かいました。

国宝


失礼ながら、国宝がありそうな雰囲気には思えません。

国宝


この門をくぐった先にある・・・

国宝  仏殿


《清白寺仏殿》(ジャンル:建造物) が国宝なのだそうです。
そうは思えませんでしたが、警備会社がしっかり護っているので、国宝なのでしょう。

警備


小ぶりな建物のため、「国宝だぞ~」 という威圧感 (?)こそ無かったですが。
よくよく見ると、細部の装飾は見事なものがありました。

細部


余談になりますが。
清白寺の境内を散歩していたら、仔犬に出会いました。

仔犬


「可愛いなァ」 と思っていると、近づいてきてくれました。

仔犬


あれ?でも、なんかウーウー唸っています。
・・・・・・・完全に威嚇されてますね (汗)

逃げる僕。
追いかけてくる犬。

犬


酔いが醒めました。


今現在の国宝ハンティング数 782/1095




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