東京都現代美術館で開催中の “オノ・ヨーコ|私の窓から” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、コンセプチュアル・アートの先駆者の一人として、
国際的に活躍するアーティスト、オノ・ヨーコさんの東京では14年ぶりとなる大回顧展です。
オノ・ヨーコさんが10代最後の年に手掛けたテキスト 《無音の楽曲》 など初期の貴重な作品から、
《穴》 や 《私たちはみんな水》 といった近年の作品まで。
さらには、オノ・ヨーコさんの代表的なパフォーマンスの一つ 《カット・ピース》 や、
(←このパフォーマンスの時にカットされた衣服の一部も展示されています)
代表作とも言うべき詩集 『グレープフルーツ』 の原稿や初版本も展示されていました。
それらの作品が、時系列ではなく、
逆時系列に沿って紹介されていたのが、今展覧会のミソ。
あえて逆時系列に紹介されたことで、
「今、オノ・ヨーコさんは、こんな作品を作っているのか!」
↓
「ジョンと出会ってからは、こういう作品を作っていたのか!」
↓
「ジョンと結婚して世界的に有名になったのでなく、それ以前に世界的に活躍していたのか!」
↓
「学生時代から、こんな自由な作品を作っていたのか!」
と、段階を踏んで、オノ・ヨーコさんの波乱万丈のアーティスト半生を追体験することが出来ました。
もし、時系列に沿って展示されていたら、普通にサラッと流し見してしまったかもしれません。
さて、今回まとまった形で、オノ・ヨーコさんの作品を鑑賞して、
何よりも感じたのは、どの作品にも、強いメッセージ性があるということ。
ただ、残念ながら、僕のアンテナとは波長が合わなかったのでしょう。
どんなメッセージなのか、全く受信できませんでした。。。
強く、それもストレートなメッセージ性を作品が発している、そのことは十分に感じ取れるのですが。
そのため、キャプションに解説はないかと探してみたのですが、会場には作品の説明はありません。
図録になら掲載されているかと手に取ってみると、やはりそこにも説明はありませんでした。
もしかしたら、そもそもオノ・ヨーコさんの作品には、説明が一切無いのかも?
・・・と思いきや、帰宅後にネットで調べると、いろいろヒットしました。
例えば、展覧会のポスターにも使われている 《FROM MY WINDOW: Salem 1692》 という作品。
オノ・ヨーコ 《FROM MY WINDOW: Salem 1692》
2002年 顔料/カンヴァス 個人蔵 ©YOKO ONO 2015
幼少期に観た魔女裁判の絵画が強烈に印象に残っているというオノ・ヨーコさん。
彼女は、やがて成長し、「(ビートルズを解散させた)東洋の魔女」 と呼ばれるようになりました。
そんな自身の人生を表現したのが、こちらの作品なのだそうです。
ちなみに、写真の少女は、幼少期のオノ・ヨーコさん本人。
さらに、窓はオノ・ヨーコさんの自宅の窓なのだとか。
なるほど。一人の女性アーティストの人生が、レイヤーのように重なって表現された作品なのですね。
そう知った上で観れば、とても深みのある作品に感じられます。
しかし、何も知らない状態で作品を観て、
ここまで感じ取れる人は、100人中何人くらいいるのでしょうか。
この展覧会を企画した方は、僕ら鑑賞者のことを天才か、
はたまたサイコメトラーとでも思っていらっしゃっるのかもしれませんが。
正直なところ、僕の “イマジン” では無理でした。
コンセプチュアル・アートは、コンセプトが伝わってナンボ。
オノ・ヨーコさんの作品の純粋さを損なわないようにと、
キャプションによる解説を、会場から省いたのかもしれませんが。
それならば、音声ガイドやパンフレットなどでもいいので、ある程度の解説はして欲しかったです。
“イマジン” が足りない僕のような鑑賞者にも、愛の手を。
彼女のメッセージをダイレクトで受信できる人にとっては、
とてつもなく感動的で、ピースフルな展覧会であること請け合いです。
という記事を書いたところ、東京都現代美術館の広報さんより、
「今後、会場にハンドアウトを設置したり、ボランティアスタッフによる解説ガイド、
オノ・ヨーコさんの作品の鑑賞ヒントを美術館の公式ブログで発信していく予定です。」
と、ご丁寧に連絡を頂きました。
War Is Over。
・・・って、戦争でもなんでもないですが (笑)
┃会期:2015年11月8日(日)~2016年2月14日(日)
┃会場:東京都現代美術館
┃http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/yoko-ono-from-my-window.html
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オノ・ヨーコ|私の窓から
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