今回は、先週11月14日に封切りになったばかりの話題の映画を観に行ってきました。
■FOUJITA
監督・脚本・製作:小栗康平
出演:オダギリジョー、中谷美紀
2015年/日本・フランス/126分/PG12
1913年、日本人画家の藤田嗣治 (オダギリジョー) は、27歳で単身渡仏。
“フジタ” と呼ばれた彼は、モディリアーニやスーチンらと親交を結びながら制作に励む。
当時、外国から移住した芸術家たちの多くがモンパルナスを中心に活躍。
彼らは “エコール・ド・パリ” と呼ばれ、その一員だったフジタは、
20年代前半に発表した裸婦像 『乳白色の肌』 が賞賛を集め、一躍注目の存在となる。
やがて第二次世界大戦が始まると、パリがドイツ軍の手に落ちる寸前の40年に日本へ帰国。
『アッツ島玉砕』 など、数多くの戦争協力画を描いて日本美術界の重鎮に上り詰めて行く。
やがて、5番目の妻である君代 (中谷美紀) と共に、疎開先の村で敗戦を迎えるが……。
(「Movie Walker」より)
「まぁ、オシャレな映画でした。
どの場面も、いちいち “画” になっているといいますか。
映画好きのための映画という印象を受けました。
ただ、藤田嗣治の半生を描いた映画ではありませんでした。
藤田嗣治の半生やエコール・ド・パリのメンバーに関して、
自分は、ある程度の知識を持っていたから、話についていけましたが。
知らない人が見たら、何が何やらだったのでは?
どうして、藤田嗣治がパリで活躍したのか。
一切、物語の中では語られず。
登場人物に関しても、説明がありません。
キキって誰?キスリングって誰?スーチンって誰?
ユキは藤田の3番目の妻という下知識がなければ、
物語の途中まで藤田嗣治とユキが夫婦であることもわからなかったことでしょう。
きっと、監督は藤田嗣治の人間性を描く気はなく、
藤田嗣治というキャラクターを通じて、エコール・ド・パリの光景を描きたかっただけな気がします。
オダギリジョーが藤田嗣治にしか見えなかっただけに、なんか残念でした。
とは言え、エコール・ド・パリ時代を描いたパートは、まだマシです。
後半、いきなり20年後に時間が飛び、舞台も疎開先の日本のとある村へと変わります。
ここからが、まぁ、退屈。。。
いや、退屈は言いすぎたかもしれませんが、何の映画を観ているのか、よくわからなくなりました。
もちろん、藤田嗣治が戦争画を描くシーンはあったのですが。
それらのシーンは刺身のつまみたいなもので、基本的には戦時中の疎開の光景が淡々と描かれます。
たぶんですが、映画の後半は、仮に藤田嗣治がいなくても、ストーリーに支障が無かった気さえします。
そして、ここからはネタバレになりますが、
ラストに近づくにつれ、なぜか映画にキツネの話題がたびたび登場します。
藤田嗣治と言えば、ネコなのに?!
で、なぜか歌川広重の 《王子装束ゑの木大晦日の狐火》 が登場。
さらには、チープなCGのキツネも登場。
まさに、キツネにつままれたような気分でした。。。
わかる人には、わかる映画。たぶん。
(星2つ)」
~映画に登場する名画~
《王子装束ゑの木大晦日の狐火》
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Film:34 『FOUJITA』
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