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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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博物館に初もうで

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昨日は 「新年はこれを観なくちゃ始まらない!」 とトーハクへ。

トーハク


毎年恒例の “博物館に初もうで” を鑑賞してまいりました。

トーハク


すっかり新春特別公開が恒例となった長谷川等伯の 《松林図屏風》 と、

松林図屏風


《古今和歌集(元永本)上帖》 は、もちろん今年も健在です。

新春特別公開が


冷静に考えたら、《松林図屏風》《古今和歌集(元永本)上帖》 も、特に正月とは関係がないわけですが。
これらを観るにつれ、

「あぁ、正月が来たんだなァ」

と、自然と思っている自分がいました。
トーハクに、完全に調教されています (笑)


今年の新春特別公開の目玉は何と言っても・・・

神奈川


《神奈川沖波裏》 を筆頭に、《凱風快晴》《山下白雨》 と、
『冨嶽三十六景』 シリーズのいわゆる “三役” が揃い踏みしていること。
“三役” が並んで展示されているゾーンにいたっては、バーゲン会場のように混雑していました。
北斎人気、浮世絵人気、恐るべしです。


特別1室と特別2室では、こちらも毎年恒例となった干支にちなんだミニ企画展が展開。
今年は、“猿の楽園” と銘打って、猿にちなんだ様々な展示品が紹介されていました。

オススメは、ポスターのメインビジュアルにも使われている狩野山雪の 《猿猴図》 です。

猿猴図  猿


なんという可愛らしさ!
新たなサンリオのキャラクターかと思うくらいに、可愛いです。


もう一つのオススメは、狩野探信の 《百猿図》

狩野探信  狩野探信


画面には、猿がみっちり描かれています。
それも、数珠つなぎのように。
この絵を観ていたら、かつて、よく遊んだおもちゃを思い出しました。

さるも木からおちる/パルボックス



親戚の家で遊ぶ定番だったなァ。


と、それはさておきまして。
他にも、いろいろ猿を主題とした絵画作品が展示されていましたが。
模写が多かったのが、やや残念。

もちろん、大徳寺に伝わる牧谿作の国宝絵画 《観音猿鶴図》 も本物ではなく模写。

大徳寺


「なんだ、ただの模写か」 と、通り過ぎようとしたら、なんと横山大観による模写でした。
一流の模写です。


絵画以外では、三猿が乗った 《井桁釜》 や、

井桁釜  井桁釜


どことなく片岡鶴太郎に似ている 《狂言面 猿》

狂言面 猿


小さな猿だけで構成されている超絶技巧的な 《千疋猿透大小鐔》 などが、オススメでしょうか。

千疋猿透大小鐔  千疋猿透大小鐔


それなりに見応えはありましたが。
全体的には、通常のトーハク本館が、少しだけパワーアップしたような印象。
例年の “博物館に初もうで” よりは、新春感、特別感が薄れていたような印象を受けました。
星
今年は始まったばかりですが、来年の “博物館に初もうで” に期待です。




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