国立新美術館の年末年始の風物詩とも言うべき、“DOMANI・明日展” に行ってきました。
これまでに文化庁の新進芸術家海外研修制度によって、
海外派遣された経験を持つ芸術家たちの成果を発表する展覧会。
それが、“DOMANI・明日展” です。
18回目となる今回は、18人のアーティストと2人の保存修復家が、その成果を発表しています。
毎回、掘り出し物のアーティストさんがいるので、例年密かに楽しみにしている “DOMANI・明日展”。
(・・・って、“掘り出し物” 呼ばわりされたら、アーティストさんもムッとするかもしれませんが)
今年度は、間違いなく当たり年でした。
掘り出し物のアーティストさんが、いっぱい。
例年以上に、充実した内容でした。
まず紹介したいのが、線幸子さん。
レントゲン写真のようにも見える、繊細なイメージの抽象絵画作品です。
そんな白く淡い繊細な部分は、日本画の画材で表現しているのか、
はたまた油彩画、いやアクリル絵画で表現しているのかも・・・と思いきや。
近づいてみて、ようやく気づいたのですが、真綿で表現されていました。
いうなれば、真綿で描かれた抽象絵画。
思わず、息を止めて見入ってしまいました。
繊細なイメージといえば、佐伯洋江さんの作品世界も。
これらの作品は、白い紙に、なんとシャープペンシル、もしくは色鉛筆だけで描いたもの。
吹けば飛ぶような・・・というか、
消しゴムで消せば消えるような、繊細も繊細な作品です。
余白の美しさも秀逸でした。
逆に、インパクトが最も大きかったのは、田村友一郎さんの作品。
国立新美術館がある六本木にまつわる新作を発表していました。
その名も、《六本木心中》 。
アン・ルイス!
会場に吊るされたリバーシブルのスカジャンはすべて、試着可能なのだそうです。
ということを、スカジャンを着た妙齢の監視員さんからアナウンスを受けました。
・・・・・・・。
何か気恥ずかしくて、スカジャンは試着しませんでした (笑)
彫刻家の松岡圭介さんの作品も、インパクトがありましたし、
「はいだ布団」 と 「脱ぎ捨てた衣服」 に、異様なこだわりを見せ、
それらだけで構成された絵を描き続けている古川あいかさんの絵画作品も、インパクトがありましたが。
今回の “DOMANI・明日展” のイチオシは、何と言っても西ノ宮佳代さん。
モザイクで立体を作るという独創的な作品を制作しているアーティストです。
この発想はなかった。
パッと見は可愛い印象なのですが、モザイクの質感が可愛さを削いでしまっています。
でも、じーっと観ていると、段々可愛くなってくる。
そんな不思議な味わいが、西ノ宮佳代さんの作品にはありました。
コンパクトな作品を手掛ける一方で、《Metamorposis - 登竜門》 のような大作も。
いやはや、観ていて、全く飽きなかったです。
なんなら、会場半分くらい西ノ宮佳代さんの作品で構成してくれても良かったです。
それぐらいに、西ノ宮ワールドに、ドハマりしてしまいました。
ちなみに、会場には、モザイクの破片や制作道具なども展示されていたのですが。
それらに混じって、作品のスケッチがありました。
普通にカワイイ (笑)!!
ここから出発して、最終的には、あぁなってしまうのですね。
そのギャップが素晴らしいです。
ギャップ萌え。
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18th DOMANI・明日展
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