東洋文庫ミュージアムで開催中の “解体新書展 ニッポンの 『医』 の歩み1500年” に行ってきました。
こちらは、95万冊 (!) にも及ぶ東洋文庫のコレクションの中から、
日本における医療にまつわる貴重書や浮世絵の数々を紹介した展覧会です。
展覧会の目玉は、何と言っても、『解体新書』 。
もちろんモノホン!
しかも、初版!!
何が書いてあるのかは、さっぱりわかりませんが。
教科書でお馴染みのあの 『解体新書』 が、
僕の目の前にあるかと思うと、心がフルヘッヘンドしました (←?) 。
ちなみに、『解体新書』 の隣に展示されていたのは、
杉田玄白の弟子である大槻玄沢によって完成された 『解体新書』 の完全版。
その名も、『重訂 解体新書』 です。
杉田玄白関連と言えば、『犬解嘲』 が初公開。
こちらは、杉田玄白の最晩年のエッセイです。
主な内容はというと、杉田玄白に対する世間のイメージについて、
杉田玄白自らが、 「いやぁ、そういうことじゃないんだよなぁ」 とぼやいているものなのだとか。
意外と、“気にしい” な人だったのですね。
この他にも、会場には、医療に関する展示品の数々がありました。
例えば、こんな浮世絵が展示されていました。
歌川芳艶による 《やまい絵/流行病風刺絵》 です。
江戸時代、約20年スパンで流行し、猛威を振るった麻疹 (はしか) 。
それに対して、江戸の庶民は、麻疹に対する風刺絵でユーモアをもって対抗したそうです。
絵の中でボコボコにやられている巨人は、麻疹を擬人化したキャラクター。
ボコボコにしているのは、麻疹が流行することで、
ダメージを受ける職業 (銭湯、遊郭など) の人々なのだそうです。
しかし、画面右下には、巨人を案じている人の姿が。
実は、彼は薬屋さん。
彼の場合、むしろ麻疹が流行することで儲かるわけです。
麻疹の流行で得する人損する人。
また、例えば、こんなものも。
こちらは、《内景図》 といって、人体の内部を描いたもの。
『解体新書』 が発表される以前のものなので、だいぶファンタジーに満ちています (笑)
そして、腸が、しらたきのよう。
また、当時の人々は、体の中には、虫がいると信じていたようで。
こちらの 《内景図》 には、それら人体の中にいる数々の虫の姿も描かれています。
虫っぽいものが、体の中にいると信じるのは、まだ百歩譲って理解できますが。
「鳥っぽいものは、さすがに体の中にいないだろ!」 と、思わずツッコんでしまいました。
こういった迷信的 (?) な展示品の数々を目にしていると、
江戸時代はよっぽど医療が遅れていたような印象を受けてしまいましたが。
実は、江戸時代から、すでに内科、小児科、婦人科、産婦人科、眼科と、分野が専門化されていたとのこと。
そこまで、現代の医療と、大きくかけ離れたものではなかったのだそうです。
ちなみに、今回の展覧会で、もっともインパクトがあったのは、《唇舌図譜》 。
舌の状態を、病状別に表したものです。
黄色かったり、真っ黒だったり、ストライプ状だったり。
舌が恐ろしいことになっています。
こうならないよう、健康には気を使っていきたいものです。
医療がテーマということで、地味な展覧会かと思いきや。
ポップなパネルもあり、見応えのある展覧会となっていました。
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解体新書展 ニッポンの『医』の歩み1500年
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