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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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第百十五話 国宝ハンター、心に鐘の音が鳴り響く!

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前回までのあらすじ~
 国宝以外国宝じゃないの。
 当たり前だけどね。
 卒論の提出 (=日本全国の国宝をすべて観る) を目指して奮闘中の国宝ハンター。
 話題沸騰中のとある国宝を目指して、福岡へとやってきたが、
 いきなり、福岡市美術館と福岡市博物館を間違えるというポカをやらかしてしまう・・・



福岡市博物館


福岡市博物館にやってきました。
こちらに、へし切長谷部はあるはずです。

館内で、こんなポスターを発見。
間違いなく、へし切長谷部はあるようです。

へし切長谷部


しかし、「おまたせ」 って・・・ (笑)
軽いなぁwww


報道されていたので、2時間待ちを覚悟していましたが、
平日ということもあって、それほどの行列は出来ていませんでした。

とは言え、刀剣女子多し!!

刀剣  刀剣


しかも、オシャレな女子が多かったです。
オシャレな女子がキャーキャー言いながら刀剣を眺めたり、カメラを向けたり。
スゴい時代になったものです。


と、刀剣女子をハンティングしに来たわけではありません (←それは、ただのナンパ!) 。
僕も行列に並んで、

刀剣  刀剣


《刀〈金象嵌銘長谷部国重本阿花押(名物へし切)/黒田筑前守〉》(ジャンル:工芸品) を、間近で鑑賞。
「へし切」 の名に相応しい、荒々しい印象の日本刀でした。

ちなみに、へし切長谷部の作者は、山城の刀工・長谷部国重。
そして、もとの所有者は、織田信長です。
へし切長谷部という異名は、信長のあるエピソードが基になっています。
ある日、観内という茶坊主が、信長に反抗的な態度をとりました。
怒った信長は、観内を手討ちにしようとするも、観内は膳棚の下へ隠れます。
そこで、信長は刀でへし切 (刀を振り下ろすことなく、膳棚ごと刀で押し切る) にしたのだとか。

そんな日本刀を、オシャレな女子たちが・・・。
つくづく、スゴい時代になったものです。


福岡市博物館をあとにし、九州を代表する古寺・観世音寺へ。

観世音寺  観世音寺


こちらには、国宝の 《梵鐘》(ジャンル:工芸品) があります。

梵鐘  梵鐘


同じく国宝である京都・妙心寺の梵鐘と、
奈良・当麻寺の梵鐘とならぶ日本最古の梵鐘の一つとのこと。
鳥小屋みたいな金網で囲まれていますが、とても貴重な 《梵鐘》 なのです。

梵鐘  梵鐘


実は、福岡には、もう一つ国宝の梵鐘が存在しています。
今回の旅の最終目的地は、その梵鐘があるという西光寺。

観世音寺から西光寺へと向かいます。
が、福岡の交通網に不慣れなため、右往左往。
電車に乗って、バスに乗って、さらにバスに乗って・・・で、気づけばすっかり夕刻に。

最寄のバス停から、西光寺を目指します。

西光寺


「こんな住宅街の中に、国宝があるのだろうか?」 と、不安はありましたが。

住宅街


なんとか西光寺に到着。

西光寺


どうやら、この中に国宝の梵鐘があるようです。

梵鐘


パネルもあります。

ぱねる


ではでは。
中にある国宝の梵鐘とご対面。

梵鐘


無いじゃん!!

ゴーーーーーーーーン

梵鐘は無いのに、確かに心の中に鐘の音が鳴り響きました。


もしかしたら、お寺の他の場所にあるのかもしれません。
すがる思いで、お寺の方に尋ねてみることに。

「国宝の梵鐘を観に来たのですが・・・」

「今、九州国立博物館にあるんです」

「(ゴーーーーーーーーン)」

「と言っても、展示されてるわけじゃなくて、収蔵庫にあるみたいですけど」

「ずっと、九州国立博物館にあるのですか?」

「4月には帰ってきますよ」


3ヶ月早かったのかーーーー(泣)


傷心。
どうやって福岡から東京に帰ってきたのか。
記憶が定かではありません。


今現在の国宝ハンティング数 804/1096




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