ニューヨーク近代美術館が開館した翌年1930年に、
日本初となる西洋美術や近代美術を展示した美術館が、岡山県倉敷市に誕生しました。
倉敷絹織 (現在のクラレ) の創業者・大原孫三郎によって設立された大原美術館です。
そんな大原美術館のコレクションの中から、
選りすぐりの作品ばかりを紹介する展覧会が、国立新美術館で開催されています。
“はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション” は、4月4日まで。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
これまでに、数多くの “○○美術館展” が開催されてきましたが。
間違いなく、今回の “大原美術館展” が、歴代No.1!
ルノワールに、ゴーギャンに、モネに、民芸の作家の作品に、
重要文化財の関根正二 《信仰の悲しみ》 に、同じく重要文化財の小出楢重 《Nの家族》 に。
これほどまでに出し惜しみなく、
珠玉のコレクションの数々が大放出された “○○美術館展” を、僕は知りません。
これだけ一軍メンバーが岡山から上京しているということは、
大原美術館は現在休館中なのかと思いきや、そうではないようです。
ベストofベストの大原美術館展を、東京で観て欲しい!
そんな大原美術館のサービス精神が、展覧会全体からヒシヒシと伝わってきました。
出し惜しみがないということは、続編 (大原美術館展Part2) の予定は当分ないということ。
絶対に見逃せない・・・いや、絶対に見逃してはならない展覧会です。
モネから直接購入したとされる 《睡蓮》 や、
クロード・モネ 《睡蓮》 1906年頃 73.0×92.5cm 油彩・カンヴァス
個人的に大好きなセガンティーニの 《アルプスの真昼》 が、出展されているだけでも、十分驚きましたが。
ジョヴァンニ・セガンティーニ 《アルプスの真昼》
1892年 86.0×80.0cm 油彩・カンヴァス
大原美術館の至宝・・・というよりも、もはや日本美術界の至宝とも言うべき、
あのエル・グレコの 《受胎告知》 が惜しげもなく出展されていたのには、心底驚きました。
上野動物園で言えば、ゾウやライオン、ゴリラにくわえ、
ジャイアントパンダまで、他の動物園に貸してしまっているようなものです。
こちらは、日本に存在していること自体が奇跡とさえ言われるほどの逸品。
エル・グレコ 《受胎告知》 1590年頃-1603年 109.1×80.2cm 油彩・カンヴァス
当然、その存在は知っていましたので、
いつかは大原美術館を訪れて対面したいというのが、一つの目標でした。
まさか大原美術館を訪れずとも、都内でその目標が叶ってしまうとは (笑)
人生何が起きるかわからないものです。
ちなみに、憧れの実物を初めて目にしてみての率直な感想は、
「マリアの目の表情が、なんて豊かなんだ!」 と 「思いの外、鳩の存在感があるなぁ」 でした。
実に、すばらしき作品でした。
岡山の奇跡。
さてさて、今現在でも、現代アートも積極的にコレクションを続けている大原美術館。
そんな大原美術館の現代アートコレクションも、展覧会では紹介されていました。
それらの中に、大ファンである福田美蘭さんの 《安井曾太郎と孫》 を発見!
特に好きな作品なので、テンションが最大限に上がりました。
元ネタとなるのは、大原美術館が所蔵する安井曾太郎の 《孫》 という作品 (写真左)。
「♪なんでこんなに 可愛いのかよ~」 であるはずの孫を、
「なんでこんなに 不気味なのかよ・・・」 という姿で描かれています。
それを踏まえて、福田美蘭さんの 《安井曾太郎と孫》 をごらんください。
福田美蘭 《安井曾太郎と孫》
2002年 91.0×72.0cm アクリル・カンヴァス(パネル貼)
いや、元から、そんな不気味な顔なんかいっ!!
と思わず、ツッコみたくなる一枚です。
そうそう、安井曾太郎の 《孫》 くらいに衝撃を受けた作品があったのでした。
梅原龍三郎の 《竹窓裸婦》 という作品です。
完全に、バキの世界。
もしくは、超人ハルクの世界。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション
↧