約2ヶ月間ほど改修工事のため休館していた太田記念美術館。
今回の改修工事を経て、受付がアップデートされていました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
さて、そんな太田記念美術館の新年一発目を飾るのが、
“生誕290年記念 勝川春章―北斎誕生の系譜” という展覧会。
勝川春章の生誕290周年 (←中途半端!) を記念して開催された展覧会です。
「浮世絵師と言えば?」 という質問を世の中の人にしたら、
おそらく・・・いや、確実にベスト10入りしないマイナーな浮世絵師・勝川春章。
しかし、知名度は低いながらも、その浮世絵界への貢献度は高し!
浮世絵界のキーパーソンと言っても過言ではないのです。
例えば、役者絵。
勝川春章以前にも役者絵はあったそうですが、役者の顔に似せては描かれていませんでした。
みんな、だいたい同じ顔。
勝川春章が登場して初めて、役者の顔に似せて描くという、
(今考えれば普通ですが、当時としては斬新な!) スタイルが確立したのです。
《初代中村仲蔵》
《三代目大谷広次》
そして、そのスタイルが、春章の弟子たちだけでなく、のちの浮世絵師に受け継がれていくのです。
もちろん東洲斎写楽もその一人。
(←展覧会では、彼らの作品も出展されています)
もし勝川春章がいなければ、写楽は世界的に有名になっていなかったかもしれません。
ついでに言えば (?) 、針すなおも有名になっていなかったのかもしれません。
また、浮世絵ではお馴染みのジャンル・相撲絵を確立したのも、何を隠そう勝川春章なのだとか。
こんなにも浮世絵界に貢献しながらも、
知名度が低いことに、涙が出ずにはいられません。。。
そんな勝川春章が、もっとも浮世絵界へ貢献したことと言えば・・・
弟子として勝川春朗を育てたこと。
35歳まで勝川春朗を名乗ったその人物こそが、のちの葛飾北斎。
今回の展覧会では、葛飾北斎の代表作とともに、
貴重な勝川春朗時代の作品も多数出展されていました。
勝川春朗 《三代目沢村宗十郎のしけたゞ》
前後期合わせて、200点が出展!
知られざる勝川春章の全貌が明らかになる浮世絵ファン、江戸時代ファンにはたまらない展覧会でした。
出光美術館で今月20日より開催の “生誕290年記念 勝川春章と肉筆美人画” とセットで楽しみたいところです。
ちなみに、今回出展されている作品の中で、
特に印象に残ったのは、勝川春章の 《楽屋の五代目市川団十郎》 という一枚。
メイク、落とさないんかい!
それと、同じく勝川春章の 《江都勧進大相撲浮絵土俵入後正面之図》 も気になる一枚。
ときどき、変な色の力士が混じっていますが、彼らは何者?
黒人力士??
その謎が解決するかどうかはわかりませんが (笑)
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生誕290年記念 勝川春章―北斎誕生の系譜
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