新たな取り組みとして、日本各地の美術館の名品を紹介するシリーズをスタートさせるそごう美術館。
その記念すべきトップバッターを飾るのは、福井県立美術館です。
福井県立美術館と言えば、昨年の秋に、国宝ハントの旅がてらで伺ったばかり。
(その時の模様は、こちらに)
その際は、お世辞にも、名品を持っている美術館という印象は受けませんでした。
よくある感じの地方美術館と言いましょうか。 (←福井県の皆様、ごめんなさい)
というわけで、今回の “福井県立美術館所蔵 日本画の革新者たち展” には、
そこまで・・・いや、ほとんどと言っていいほど期待をしていなかったのですが。
狩野芳崖はあるわ。
狩野芳崖 《伏龍羅漢図》
横山大観はあるわ。
横山大観 《海―月明かり》
下村観山はあるわ。
下村観山 《馬郎婦観音像》
菱田春草はあるわ。
菱田春草 《温麗・躑躅双鳩》
岡倉天心にゆかりのある作家の作品が、こんなにも充実しているとは思ってもみませんでした。
「何故に、岡倉天心?」 と思いきや。
岡倉天心の父親は、福井藩士だったとのこと。
そういった関係で、福井県立美術館は、
岡倉天心にゆかりのある作家の作品のコレクションに力を入れているのだそうです。
(岡倉天心自身は、横浜生まれ東京育ちですが・・・気にしないことにしますw)
そんなコレクションの中でも、特に名品と名高いのが、菱田春草の 《落葉》 。
こちらの 《落葉》 は、永青文庫が所蔵する重要文化財指定の 《落葉》 の後に描かれたそうです。
回数を重ねている分、より洗練されていると言っても過言ではありません。
絵の中にスッと入りこめそうな気がしてならない、奥行きのある作品でした。
さて、岡倉天心ゆかりの作家のコレクションと並んで特筆すべきなのが、
「浮世絵をつくった男」 と呼ばれる絵師・岩佐又兵衛のコレクションです。
実は、福井県とゆかりの深い岩佐又兵衛。
岩佐又兵衛が絵師として最も油が乗っていたのが、福井に在住していた時代だったのだとか。
今回の展覧会には、福井在住時代の代表作 《龐居士図》 をはじめ、
約25点もの岩佐又兵衛作品が紹介されていました。
特に印象的だったのは、三十六歌仙を描いた作品群です。
(もともとは絵巻だったようですが、現在は1人ずつに切り分けられています)
36人の中でも、小野小町は別格だったようで、ひときわ美しく描かれていました。
やはり美人は得をするのですね (←?)。
ちなみに、先日紹介したばかりの米谷清和さんも、福井県出身。
彼を含め、福井県にゆかりのある近現代の作家の作品も合わせて紹介されています。
大いに見応えのある展覧会でした。
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日本画の革新者たち展
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