毎年レポートしていますので、
今年も国立新美術館の “文化庁メディア芸術祭 受賞作品展” のレポートを。
「文化庁メディア芸術祭って何?」 という方もいらっしゃることでしょう。
文化庁メディア芸術祭とは、アート、エンターテインメント、
アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、
受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバルのことです。
今年の応募総数は、過去最多となる4417作品!
その頂点に輝いた精鋭の作品たちが、会場でお披露目されています。
マンガ部門の大賞に輝いたのは・・・
かくかくしかじか コミック 全5巻完結セット (愛蔵版コミックス)/東村 アキコ
東村アキコさんの 『かくかくしかじか』 。
女性漫画家版 『まんが道』 (作:藤子不二雄A) を想定して描いたという自伝エッセイ漫画でした。
ちなみに、マンガ部門コーナーでは、
『かくかくしかじか』 をはじめとする受賞作品だけでなく、
審査委員会が推薦したマンガ作品も読めるようになっています。
時間があれば、じっくり読みたいものです。
日本のお家芸とも言うべき、アニメーション部門は、
フランスのアーティストBoris LABBÉによる 『Rhizome』 が受賞。
ここ数年、日本の作品が大賞から遠ざかっているのが、気になるところです。
がんばれ!ニッポン!ジャパニメーション!
ゲームやミュージックビデオなど、
ジャンルが多岐に渡るエンターテインメント部門大賞 (昨年は、『Ingress』 が受賞!) は・・・
スタディスト (勉強家) を名乗る岸野雄一さんによる音楽劇 『正しい数の数え方』 が受賞。
期間中、毎日休まず実演されるようです。
インフルエンザに負けず、頑張ってくださいませ。
エンターテインメント部門の中で個人的に印象に残ったのは、
足音だけを頼りに暗闇の部屋から脱出するホラーゲーム 『Dark Echo』。
恐る恐るプレイしてみましたが、リアルガチで怖かったです。
美術館の会場だったから、まだ耐えられましたが。
家で一人でプレイしたら発狂するかもしれません。。。
さて、アートテラーとしては、やはり一番気になるのがアート部門。
今年の大賞受賞作品は、チュン・ワイチン・ブライアンの 《50 . Shades of Grey》 でした。
どういう作品なのか、パッと見ただけではイマイチわからず。
キャプションを読んでも、さらにわからず。。。
帰宅後に、詳しい解説が書かれた記事を発見したので、
文化庁メディア芸術祭アート部門、大賞は「プログラムコード」 (ITpro)
それを読んでみたのですが、やっぱりよくわかりません (泣)
大賞作品にケチをつけるつもりは、さらさらないのですが。
個人的には、文化庁メディア芸術祭の審査基準が、
一般人の感覚とズレてしまっているような気がしました。
より国際的になったと言いましょうか、より専門的になったと言いましょうか。
かつてのような楽しい文化庁メディア芸術祭には、
もう戻れなくなってしまったのかなァという印象を受けました。
ちなみに、アート部門で印象に残ったのは、
優秀賞の長谷川愛さんによる 《(不)可能な子供、01:朝子とモリガの場合》 という作品です。
最近では、あまり珍しくなくなった同性婚。
もし、同成婚した女性カップルから子供が生まれるとしたら、どういう顔になるのか。
こちらの作品は、実在する同性カップルの一部の遺伝情報から、
できうる子どもの遺伝データをランダムに生成し、それをもとに “家族写真” が制作したものです。
現段階では現実には不可能でも、web上データ上では同棲カップル同士の子供の誕生は可能。
その事実に、非常に考えさせられるものがありました。
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第19回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展
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