大日本印刷株式会社が運営するグラフィックデザイン専門のギャラリー、
ギンザ・グラフィック・ギャラリー (通称:ggg “スリーg”) は、2016年4月まで改装のため休館中。
そこで、現在は、舞台を千代田区立日比谷図書文化館に移し、
1階の特別展示室にて、“祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ” を開催しています。
ちなみに、タイトルを観て、
「とに~さん、『ブックデザイン』 の 『ン』 が抜けていますよ!」
と思われた方も多いことでしょうが。
正式タイトルが、『ブックデザイ』 なのです。
ちなみに、メインビジュアルイカのようなキャラクターは、
三半規管をモチーフにデザインされたキャラクター “サンハンちゃん” とのこと。
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いろいろな意味で、一筋縄でいかなさそうなこちらの展覧会。
あえて表紙をひっくり返したり、本棚に並べたときに傾くようにしたり、
一筋縄ではいかない奇想天外なブックデザインに定評のあるブックデザイナー祖父江慎さんと、
彼が主宰するコズフィッシュのブックデザインの秘密に迫る展覧会です。
もし、祖父江慎さんという名にピンと来なくとも、
彼がデザインした本を一冊も、目にしたことがないという人はいないはず。
伝染るんです 全5巻完結(スピリッツゴーゴーコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]/小学館
弥次喜多 in DEEP 1<弥次喜多 in DEEP> (ビームコミックス)/KADOKAWA / エンターブレイン
ちいさなうさこちゃん (1才からのうさこちゃんの絵本セット1) (子どもがはじめてであう絵本)/ディック ブルーナ
じいちゃんさま/リトル・モア
吉田戦車さんやしりあがり寿さんといった漫画本のデザインから、
写真集や雑誌の装丁、そして、大ベストセラーのミッフィーの絵本まで。
実に幅広くブックデザインを手掛けています。
今回の展覧会では、そんな祖父江慎さんのお仕事を徹底解剖。
ボツとなったアイディアプランや、ブックデザインを実現させるまでの試行錯誤の数々が、
祖父江さんが実際にデザインした本を例にあげながら、惜しげもなく大公開されていました。
ブックデザインとは、基本的に本の外見のデザインをすればいいのかと思っていましたが。
本の中身、例えば、字組やフォントなど随所にまで、
神経を行き届かせてデザインしていることに、感銘を受けました。
特にパネルで紹介されていた凸版文久体というフォントには、
監修した祖父江さんの並々ならぬこだわりのようなものを感じました。
自分は、本を読むのが早い方なのですが、これからはもう少し味わって読むことにします。
そして、アナログ人間と言われようとも、
これからも電子書籍ではなく、紙の本への愛を貫こうと思います。
ちなみに、今回の展覧会で知った事実をいくつか。
ゴーストハント6 海からくるもの (幽BOOKS)/メディアファクトリー
小野不由美さんの 『ゴーストハント』 シリーズは、ブラックライトを当てると一部が光るそうです。
新耳袋―現代百物語〈第七夜〉/木原 浩勝
『新耳袋』 シリーズの表紙を拡大鏡で見ると、字がビッシリ。
ちょっと怖かったです。
展覧会のラストでは、祖父江さんが近年手がけた・・・
漱石 心 (祖父江慎ブックデザイン)/夏目 漱石
『心』 新装版の制作プロセスが、
『心』 の装丁のために漱石自身が描いたという装画や初版本のゲラなど、
貴重な漱石自筆作品と合わせて、丁寧に紹介されていました。
さらに、現在制作中の 『吾輩ハ猫デアル』 新装版のとんでもない装丁案も披露されていました (笑)
気になる本があれば、その足で図書館コーナーに行って読むことも可能。
本好きには、たまらない展覧会です。
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祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ
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