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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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スタジオ設立30周年記念 ピクサー展

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今年2016年は、ピクサー・アニメーション・スタジオが設立して30周年という節目の年。
それを記念して、東京都現代美術館では、
5月29日まで “スタジオ設立30周年記念 ピクサー展” が開催されています。

ピクサー


展示のメインは、映画制作の過程で生み出されたアートワークの数々。
世界初のフルCG長編アニメ映画 『トイ・ストーリー』 から、

トイストーリー  
ボブ・ポーリー 《ウッディとバズ》『トイ・ストーリー』(1995年)複製(マーカー、鉛筆/紙

会場  トイ
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


いよいよ今週土曜から公開される最新作 『アーロと少年』 のアートワークまで。

あーろ


これまでにピクサーが生み出してきた数々の人気映画の多種多様なアートワークが紹介されています。
その総数、なんと約500点!!
普段は観ることができない貴重なアートワークばかりです。

「・・・アートワークって言っても、単なる映画資料でしょ?」

と思った方もいらっしゃるでしょうが (僕もそう思っていましたw) 。
ピクサーに所属するアーティストによって創り出された、れっきとしたアート作品です。

ピクサー  ピクサー


この展覧会を通じて、ピクサーが伝えたかったことは、
会場のラストで紹介されていたジョン・ラセター監督のこの言葉に集約されていたように思います。

言葉


CGでアニメーションを作った経験が無いので、
CGの技術が進歩すれば、こういったアニメーションが完成するものだと、
どこか当然のように考えていたところがありましたが。
決して、そんな単純なものではなかったことを、
会場に展示されたアートワークの数々から窺い知ることが出来ました。
ピクサーの30年は、チャレンジの歴史。
CGというツールを使って、いかにまだ誰も観たことが無い世界を作り出すか。
エンターテイメントというパッケージに包まれていますが、その芯には強固なアートの精神がありました。

これまでピクサーに興味が無かった方は、
きっとこの展覧会を通じて、ピクサーを好きになることでしょう。
もともとピクサーが好きだった方は、もっと好きになることでしょう。
とにかく、無性にピクサーの映画が観たくなること間違いなし!
星星
展覧会をじっくり楽しみたい。でも、TSUTAYAに寄って早く家に帰って、ピクサーの映画が観たい。
そんなジレンマと闘うことになる展覧会です (笑)


そのジレンマを和らげるには、こちらがオススメ。

観にアニメ


ピクサーが手がけた短編映画の数々を上映するシアターコーナーです。
展示されたアートワークもいいのですが、やはり映像作品に勝るものはありません。
トータルで20分以上あったのですが、
どの短編映画も素晴らしく、すべてを観終えるまで席を立つことが出来ませんでした。
展覧会の映像コーナーで、こんなにものめりこんで鑑賞したのは初めてかもしれません。


それと、今回の展覧会のために作られた 《トイ・ストーリー ゾートロープ》 もオススメです。

《トイ・ストーリー ゾートロープ》  《トイ・ストーリー ゾートロープ》
木、アルミニウム、真鍮、スチール、ガラス、プラスチック、石膏 2005年



↑停止している時は、このような感じなのですが。
暗闇の中でこれを高速回転させ、そこにストロボライトで照らすと・・・あら不思議!!
キャラクターたちが生き生きと動き出すのです (正確には、動き出したように見えます) 。



ちなみに。
今回展示されていたアートワークの中で、
もっとも衝撃を受けたのが、ウッディの初期段階での姿です。

ウッディ


こんなのが主人公だったら、絶対に 『トイ・ストーリー』 は世界的な人気映画にならなかったでしょう!
変更してくれて、ありがとうございます。





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