個展では無いにも関わらず、展覧会のタイトルにおいて、
もっとも 「名前が登場する=ネームバリューに頼られている」 芸術家は誰なのか。
「名前使われがち芸術家ランキング」 を、前編に引き続き発表してまいりましょう。
「名前使われがち芸術家ランキング」 第5位
“エコール・ド・パリの画家たち
-パスキン、そしてシャガール、フジタ、ローランサン…” (平塚市美術館)
“絵のなかのふたり シャガールから靉嘔まで” (ブリヂストン美術館)
“印象派と20世紀の巨匠たち ~シャガール《テルトル広場》初公開~” (諸橋近代美術館) ・・・etc
シャガール 30回
名前が頼られがちであったのは、疑いようがないものの。
なんと、シャガールが第5位という結果に。
残念ながら、この時点で説立証ならず。
「名前使われがち芸術家ランキング」 第4位
“世界遺産 富士 ~北斎・広重・大観他~” (光ミュージアム)
“描かれた東海道 室町から横山大観まで、東海道をめぐる絵画史” (静岡県立美術館)
“大名細川家への贈り物 ―信長、沢庵、大観から―” (永青文庫) ・・・etc
横山大観 34回
その名があれば、展覧会に箔が付くのか。
日本画の展覧会で、圧倒的に名が使われがちだった横山大観。
ちなみに、横山大観の盟友・下村観山の名が使われた回数は、たったの5回。
エグいくらいに差が生まれていました。
日本美術院の横山大観じゃないほう下村観山。
「名前使われがち芸術家ランキング」 第3位
“フランス近代絵画の流れ ―ミレー、ルノワール、ゴッホ・・・・・・美の誘惑―” (福島県立美術館)
“奇跡のクラーク・コレクション ルノワールとフランス絵画の傑作” (三菱一号館美術館)
“ベオグラード国立美術館所蔵フランス近代絵画展
ルノワール、ドガ・・・からの小さな贈り物” (ひろしま美術館) ・・・etc
ルノワール 36回
いまだに日本で絶大の人気を誇る印象派。
そんな印象派の代表的人物 “Mr.印象派” ルノワールが、第3位にランクイン。
名前だけでなく、ビジュアル的にも華やか。
ポスターのメインビジュアルにも使われがちでした。
「名前使われがち芸術家ランキング」 第2位
“大原美術館展 モネ、ルノワール、モディリアーニから草間彌生まで。” (北海道立近代美術館)
“うみのいろ うみのかたち モネ、シスレー、青木繁、藤島武二など” (ブリヂストン美術館)
“コーポレート・アート展
モネ、ルノワール、シャガール・・・ 100年にわたる企業コレクション” (Bunkamura ザ・ミュージアム)
“東京富士美術館所蔵「西洋の美・日本の美」展
モネ、ルノワール、セザンヌ...池大雅、谷文晁ほか” (島根県立美術館) ・・・etc
モネ 39回
昨年、東京都美術館で開催された “マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展” では、76万人以上を動員。
そんな美術界一数字持ってる男・モネは、個展でなくても、やはり名前が使われがち。
印象派の展覧会でなくても、名前が使われています。
印象派の展覧会では、ルノワールとセットにされがちでした。
2000年に高知県立美術館で開催された展覧会では、こんな使われ方も。
果たして、どれだけの人が、彼のことを 「日本のモネ」 と呼んでいるのでしょうか。
「名前使われがち芸術家ランキング」 第1位
“新潟市美術館の名品たち ピカソとクレーもやってきた 有友自遠方来”(目黒区美術館)
“東日本大震災チャリティー企画 日本赤十字社所蔵アート展
東郷青児、梅原龍三郎からピカソまで―復興への想いをひとつにして” (損保ジャパン東郷青児美術館)
“富山県立近代美術館コレクションから ピカソと20世紀美術” (東京ステーションギャラリー)
“巨匠画家の陶芸展 ピカソ、シャガール、ミロからコクトーまで” (箱根 彫刻の森美術館)
“スペインの彫刻家フリオ・ゴンサレス ―ピカソに鉄彫刻を教えた男” (世田谷美術館)
“ムートン・ロスシルド ワインラベル原画展
~ピカソ、シャガール、ウォーホル~” (森アーツセンターギャラリー) ・・・etc
ピカソ ??回
見事1位に輝いたのは、「最も多作な画家」 としてギネス記録に登録されているピカソ。
名前が使われた回数は、ぶっちぎりの56回。
検証した300の展覧会のうちの、実に約6分の1にピカソの名前が使われていた計算になります。
「美術展に最も名前使わている画家」 としてギネス記録に登録される日も、そう遠くないかもしれません。
ちなみに。
今回のリサーチの中で明らかとなった最も芸術家の名前を使っていた展覧会が、こちら。
“山王美術館 珠玉の洋画コレクション展
ルノワール、ミレー、藤田嗣治、梅原龍三郎、佐伯祐三、荻須高徳、小磯良平…。
ここだけで出会える名画の数々。珠玉のコレクションを一堂に。”
サブタイトルに芸術家を7名も登場させ、
なおかつ、末尾の 「…。」 で、さらに余韻も含ませるという頼りっぷり。
また、もっとも展覧会のタイトルに芸術家の名前を使いがちだった美術館は、
“生誕130年記念 前田青邨と日本美術院 ―大観・古径・御舟―”
“花と鳥の万華鏡 春草・御舟の花、栖鳳・松篁の鳥”
“Kawaii 日本美術 若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで”
“和のよそおい ―松園・清方・深水―”
“大正から昭和へ ― 佐伯祐三・小出楢重・速水御舟・川端龍子 ―”
など、22の展覧会で芸術家の名前を使っていたあの美術館でした。
(2000年以降に開催された展覧会に限ります)
もっとも展覧会名に名前が使われがちだった芸術家は、ピカソ。
もっとも展覧会名に芸術家の名前を使いがちだった美術館は、山種美術館。
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