今年2016年は、山種美術館にとって、開館50周年という節目の年です。
そんなパーフェクトイヤーを盛り上げるトップバッターとして開催されているのが、
“【開館50周年記念特別展】 奥村土牛 ―画業ひとすじ100年のあゆみ―” という展覧会。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、山種美術館と特に深い関わりのある日本画家・奥村土牛 (1889~1990) に焦点を当てた展覧会です。
土牛による戦後の院展出品作のほとんどを所蔵している山種美術館。
その135点に及ぶ土牛コレクションは、
質・量ともに日本最高峰、いや世界最高峰と言っても過言ではありません!
今回の展覧会では、そんな土牛コレクションの中から、
選抜された代表作の数々が、出し惜しみなく展示されていました。
もちろん、土牛の代表作中の代表作である 《醍醐》 や、
奥村土牛 《醍醐》 1972(昭和47)年 紙本・彩色 山種美術館
《鳴門》 も出展されています。
奥村土牛 《鳴門》 1959(昭和34)年 紙本・彩色 山種美術館
さらには、16年ぶりの公開となる秘蔵の名品 《麻布南部坂》 [写真左] や、
院展初入選作である東京国立近代美術館蔵の 《胡瓜畑》 [写真右] (注:展示は4/17まで) など、
貴重な土牛の初期作品も紹介されています。
おそらく、これを超える奥村土牛展は無いはず!
そういう意味では、この春、観ておきたい展覧会の一つです。
奥村土牛の作品の魅力は、なんといっても、その微妙なグラデーション。
薄い色を塗り重ねに塗り重ねることで、実に繊細な色合いを生み出しているのです。
その塗り重ねの回数は、なんと100回とも200回ともいわれています。
苦労していないように見えて (?) 、実は裏では人知れず努力を重ねている。
人生哲学にも通ずるような作品です。
そして、個人的に感じている魅力は、奥村土牛の描く動物の愛らしさ。
ただ可愛い動物を描く画家は、たくさんいますが。
奥村土牛が描く動物は、目に表情があるのです。
特にお気に入りなのが、こちらの山羊。
奥村土牛 《山羊》 1951(昭和26)年 紙本・彩色 山種美術館
流し目。
それも、2匹とも流し目。
ディズニーのアニメ映画に出てきそうな印象を受けました。
ちなみに、会期の後半からは・・・
奥村土牛 《閑日》 1974(昭和49)年 紙本・彩色 東京国立近代美術館
(注:展示は、4/19~5/22です)
チェシャ猫みたいな猫の絵も登場予定!
後半も楽しみです。
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奥村土牛 ―画業ひとすじ100年のあゆみ―
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