日本のアートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として、
森美術館が、3年に1度のペースで開催する “六本木クロッシング” 。
その5回目となる “六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声” が、いよいよ始まりました!
日本、韓国、台湾の4人のキュレーターによって選ばれた20組の出展アーティストは、
昨年開催された “日産アートアワード2015” でグランプリに輝いた毛利悠子さんや、
昨年、第40回木村伊兵衛写真賞を受賞した沖縄出身の写真家・石川竜一さん、
今年の “第19回文化庁メディア芸術祭” でアート部門優秀賞受賞した長谷川愛さんをはじめ、
人気、実力ともに申し分ない、まさに今ホットなアーティストばかりです。
確かに、この展覧会を観ておけば、今の日本のアートシーンは抑えられる気がします。
音楽で言えば (?)、『ミュージックステーション』 のスペシャルのようなものです。
ただ、普段からアートシーンを追いかけている人からすると、
もうすでに知っているメンバーが多く、あまり新鮮味は感じられないでしょう。
今回の “六本木クロッシング” で個人的に印象に残ったのは、
昨年の “アートいちはら2015” にも出展されたという西原尚さんの 《ブリンブリン》 。
謎の巨大なオブジェです。
左側のベルトコンベア的な部分にご注目。
巨大なゼリービーンズのような黒い物体が、どんどん上がっていきます。
上がりきったら、緑のレジャーシートをダイブ。
そして、またベルトコンベアへ・・・の繰り返しです。
アーティスト曰く、特に意味が無いという、こちらの作品。
しかし、気づけば、その無意味さにいつの間にか引きこまれ、一連の動きをじっと見ている自分がいました。
そして、黒いブリンブリン (?) を応援している自分がいました。
不思議な中毒性のある作品です。
また、昨年の十和田市現代美術館の展覧会でも注目を集めた野村和弘さんの 《笑う祭壇》 も印象的でした。
一般の方から無償で提供してもらった大量のボタンを、
参加者が、祭壇のような小さなオブジェに乗るように投げるという作品。
当然ながら、オブジェの上にはなかなか乗らず、ボタンは散らばります。
ボタンが散乱することで、床のイメージは刻々と変わっていくのです。
会期終盤に、どんな光景になっているのか、楽しみです。
実に森美術館らしい、「これぞ現代アート展!」 という王道の展覧会でした。
普段なら、それで満足なのですが。
今回に限って、どこか物足りない。
腹七分といった感じ。
きっと、その原因は、前回の村上隆ショックをまだ引きずっているからでしょう。
20組のアーティストが束になっても、
“村上隆の五百羅漢展” のインパクトは超えられていなかったように思います。
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六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声
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