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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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田中毅展

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長泉院附属現代彫刻美術館で開催中の “田中毅展” に行ってきました。

http://www.museum-of-sculpture.org/


こちらは、ユーモア溢れる石彫で知られる彫刻家・田中毅さんの過去最大規模となる展覧会です。
田中毅さんの作品は、とにかく 「カワイイ!」 の一言に尽きます。

外観

田中毅の  田中毅の


美術館の外に、たくさんのカワイイ彫刻がありますが。
美術館の中には、もっとたくさんのカワイイ彫刻があるのです!

会場

カワイイ彫刻が  カワイイ彫刻が

田中毅さん  田中毅さん


その数、実に約70作品!
しかも、田中毅さんのご厚意で、
展示品はタッチOK、揺らしてもOK (!) となっています。

タッチ


皆様、是非触り倒してくださいませ。
さらに嬉しいことに、入場料は無料です!
なんと、至れり尽くせりな展覧会なのでしょう。
星星


僕のお気に入りは、こちらの 《小石かつぎ》 君。

田中毅  田中毅


見た目のキュートさに、一発で心を撃ち抜かれてしまいました。
そして、ナデナデしている時に、ハッと気が付くことがありました。

「あれっ、それぞれの小石 (?) の肌触りが違う!」

当たり前ですが、いろいろな小石をくっつけて制作した、というわけではありません。
御影石の塊を削ることで、この作品が制作されています。
つまり、どの小石 (?) も、もとは一つの御影石といわけです。
削り方を変えることで、いろいろな小石 (?) の表情を実現させているわけです。


・・・・・・ということは、もしかしたら、この作品に限らず、
実は、田中毅さんの作品には、もの凄い技術が駆使されているのでは?!

その質問を学芸員さんにぶつけてみると、

「そうですよ」

と、あっさり回答を頂きました。
例えば、こちらの 《葉隠れ》 という作品。

葉隠


一見すると、ただのキュートな彫刻にしか見えません。

彫刻


しかし、出っ張った部分 (=黒い部分) のシャープ、
かつエッジのある形を表現するのは、かなりの高度な技術を要するとのこと。
また、ざらざらした部分 (=黒以外の部分) を、
破綻なく一つの面であるように見せるのは (実際は掘り下げているわけですから)、それ以上の技術を要するとのこと。

田中毅さんの作品は、彫刻の素人には、

「カワイイ~♪」

という風にしか映らないかもしれないのですが。
実は、神レベルの技術を駆使して制作された、とんでもない石彫作品なのです。
しかも、さらに衝撃的なことに、田中毅さんは、
これらの作品を、たった2週間で仕上げてしまうのだとか。

ただの天才かっ!


ちなみに、こちらの 《石彫の虫》 は、

田中毅さん


そんな石彫の天才・田中毅さんの自画像的な作品なのだそうです。
自分をここまでキャラクター化してしまうだなんて!
鳥山明ロボを彷彿とさせるものがあります。




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