昨年の秋に、改装工事を終えた静嘉堂文庫美術館。
それを記念して、3回にわたって、リニューアルオープン展が開催されてきました。
そのラストを飾るのが、“よみがえる仏の美~修理完成披露によせて~” という展覧会。
修理が終わって、美しくよみがえった静嘉堂文庫美術館コレクションの数々を、
その修理過程を紹介したパネルや、修理作業に欠かせない材料や道具と合わせて、披露する展覧会です。
今回の展覧会の目玉となるのが、《木造十二神将立像》 。
重要文化財 《木造十二神将立像》 のうち 「卯神像」 鎌倉時代・13世紀
もともとは、京都の浄瑠璃寺が所蔵していたそうで、
明治時代に浄瑠璃寺を離れ、子、丑、寅、卯、午、酉、亥が静嘉堂文庫美術館に、
残りの辰、巳、未、申、戌の5軀が東京国立博物館に所蔵されています。
実は、この 《木造十二神将立像》 は、業界 (?) では、ここ最近注目を集めている仏像なのです。
数年前、とある研究者が、明治時代の毎日新聞の記事に、
「いずれかの像の腹内に 『大仏師運慶』 の墨書銘がある」
とあるのを発見!
もし、その記事が真実なら、この仏像は運慶の作ということです!
ただ、残念ながら、今回、修理を終えた 「寅神像」、
「卯神像」、「午神像」、「酉神像」 の4軀の中には、その墨書銘はなかったようです。
重要文化財 《木造十二神将立像》 のうち 「午神像」 鎌倉時代・13世紀
(↑心なしか、ショックを受けているようにも見えますw)
これから修理を控える残りの3軀の中から、『大仏師運慶』 の銘が出てきますように。
・・・・・って、ガチャガチャみたいですね。
この他にも、修理後初披露となる 《普賢菩薩像》 や、
重要文化財 《普賢菩薩像》 鎌倉時代・13世紀
仏繋がりで、河鍋暁斎 《地獄極楽めぐり図》 など、
河鍋暁斎 《地獄極楽めぐり図》 のうち 「極楽行きの汽車」 明治2~5年
静嘉堂文庫美術館が誇る名品の数々が展示されています。
さらに、静嘉堂文庫美術館の至宝、いや、日本の至宝とも言うべき 《曜変天目》 も展示中。
今回を逃すと、次はいつ観られるかわかりません。
国宝 《曜変天目(「稲葉天目」)》 建窯 南宋時代 12-13世紀
さらにさらに、現在、東京都美術館で絶賛開催中の “生誕300年記念 若冲展” に、
目玉作品のひとつとして展示されている京都・相国寺蔵の若冲の傑作 《釈迦三尊像》。
その原画とされ、若冲が称賛したとされる 《文殊・普賢菩薩像》 も展示されています。
伝 張思恭 《文殊・普賢菩薩像》 元時代・14世紀
これだけのラインナップを取り揃えているというのに・・・・・
一切ストレスを感じることなく観賞することが出来ました!!
“生誕300年記念 若冲展” の混雑っぷりとは、大きな違いです (笑)
“生誕300年記念 若冲展” やGWの行楽で、
ストレスが溜まってしまった方、是非、静嘉堂文庫美術館へ!
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よみがえる仏の美~修理完成披露によせて~
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