アートテラー・とに~が信じる美術に関する説を持ち寄り検証していく新企画。
まずは、こちらの絵画をご覧くださいませ。
こちらは、イヴ・サンローランやミッフィーの作者ディック・ブルーナにも影響を与えた、
オランダの抽象画家の巨匠ピエト・モンドリアンの代表作 《赤、青、黄のコンポジション》 です。
ファッションやインテリアに、モンドリアン柄が取り入れられていることも多いので、
モンドリアンの名前を知らないという方でも、彼の作品は目にしたことがあるのではないでしょうか。
MoMA モンドリアン タンブラー/MoMA
さて、そんなモンドリアンという画家に関する説を持ってきました。
今回、僕が提唱したい説は、こちら!
僕が思うに、美術史に名を残す巨匠たちの中で、
もっとも絵をちゃんと見られていないのが、モンドリアン。
モンドリアンの絵をじっくり鑑賞した人は、実は、一人もいないのではないでしょうか。
垂直と水平のラインがあって、
赤、青、黄で塗られた箇所があれば、「はい、モンドリアンね」 というように。
そもそもモンドリアンの絵を、皆様、ちゃんと思い浮かべられますか?
というのも、ここで種明かしをしますが。
冒頭で紹介した 《赤、青、黄のコンポジション》 は、僕が作ったフェイクのモンドリアン作品です (笑)
おそらく多くの方が、あれを見ても、
モンドリアンの作品だと信じて疑わなかったのではないでしょうか。
では、ここで皆様に改めてクイズです。
Q 正しい 《赤、青、黄のコンポジション》 は、どう塗り分けられているでしょう?
正解は・・・・・
こうなっています。
正解できましたか?
今回は、この説を立証するために、美術関係者の方々に、このモンドリアンクイズを出題。
正解者が一人も出なかったら、説立証となります。
果たして、普通の人よりもモンドリアン作品を目にすることが多い美術関係者の方々は正解できるのか。
まず向かったのは、練馬区立美術館。
学芸員さんに趣旨を説明し、ノーヒントでモンドリアンクイズにチャレンジ頂きました。
まずは、日本美術を専門にするK学芸員の解答から。
一つもかすっていません。。。
続いて、ワークショップなどを企画する学芸員さんの回答。
さらに、正解から遠くなったような。。。
さらに、それを上回る衝撃的な事態が!
こちらは、先日までの “横井弘三の世界展” の担当学芸員さんの解答。
「とに~さんが、わざと逆さまにして出題しているに違いない!」 と、
謎の深読みをして、上下逆さまにした状態で、モンドリアンクイズにチャレンジ。
もっとも正解からほど遠い解答となりました。
そんな練馬区立美術館のピンチを救ったのが、西洋美術を専門にしているO学芸員。
赤と青の位置は完璧。
あとは、黄色の位置さえあっていれば、という非常に惜しい解答でした。
続いては、「ちくちく美術部」 の連載でお世話になっている 『芸術新潮』 の副編集長さんに出題。
しかし・・・。
創刊65年以上の歴史を誇る老舗美術雑誌でも、正解にはたどり着けず。
さて、この時点で、一つわかったことが。
モンドリアンクイズ攻略のカギは、右上の一番大きな正方形を塗れるかどうか。
画面の4分の3以上を占める、あの巨大なスペースに色を塗るのは、かなり勇気が必要となります。
その後、1か月近くにも及ぶ検証期間の中で、
30人以上の学芸員さん美術館スタッフさんにモンドリアンクイズにチャレンジ頂きました。
・・・・が、なんと正解者が一人も現れないという由々しき事態に。
ちなみに、もっとも衝撃だったのは、
「これ、とに~さんのひっかけですよね?本当は黄色じゃないですよね?」
と、緑をプラスするという暴挙に出た、とある学芸員さんの解答です。
これでは、モンドリアンというより・・・。パネルクイズ アタック25では?
さらに、最後の砦と思われたポーラ美術館の学芸員さんも不正解。
「これは、もう説立証でいいのでは?」
という気もしてきましたが、念には念を入れて、別の検証方法を実地してみることに。
果たして、モンドリアンに関する説は完全立証となるのか?!
後編へ続きます↓
http://ameblo.jp/artony/entry-12166708669.html