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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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奥村雄樹による高橋尚愛展

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本日ご紹介するのは、銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中の “奥村雄樹による高橋尚愛展”
若手現代アーティスト・奥村雄樹氏 (1978~、写真中央) が、
謎多きアーティスト・高橋尚愛氏 (1940~、写真左) をキュレーションした、
ちょっと変わったフォーマットの展覧会です。

写真
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


奥村氏が、アントワープにあった伝説の画廊ワイド・ホワイト・スペースの資料を眺めていたときのこと。
美術史に名を残すアーティストらの名前に混じって、一人の日本人の名前を発見します。
その人物こそが、『高橋尚愛』。

「誰なんだ??」

と、興味を強く惹かれ、独自にリサーチを開始したそうです。
その後、めでたく本人とも対面を果たし、
“謎のアーティスト高橋尚愛” を題材にした作品を制作したり、

題材



奥村氏自身が “高橋氏” になりかわって、
インタビューに答える作品を制作したりするほどの不思議な関係を築いてきます。

映像


個人的に強く印象に残ったのが、《イスラエルの高橋尚愛、1975 年(習作)》 という作品です。

写真  イスラエルの高橋尚愛、1975 年(習作)


実は、アメリカの巨匠ロバート・ラウシェンバーグのアシスタントも務めていたという高橋尚愛氏。
それゆえ、彼のイスラエルでの個展の様子を写した写真の数々に、高橋氏はたびたび登場しています。
それらの写真から、高橋氏だけを目立たせたのが、こちらの作品。
本来の主役であるラウシェンバーグすら、ぼんやりとした姿にさせられています (笑)

「(美術史上の) あの歴史的瞬間に、高橋氏が!」

昔のカップヌードルのCMの面白さに通ずるものがありました。





さて、そんな高橋氏の作品も、展覧会では紹介されています。

高橋


オススメは何といっても、ジャスパー・ジョーンズやサイ・トゥオンブリーといった、
名だたる22人のアーティストたちに、「記憶だけを頼りにアメリカの地図を描いてもらう」 という作品。

地図


言うなれば、『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー』 の超豪華版 (←?)。

ナンシー関の記憶スケッチアカデミー (角川文庫)/角川書店



ただ、アメリカの地図は、うろ覚えになるほど複雑な形をしていないからでしょうか。
そんなにバリエーションはなかったです (笑)
星
ちなみに、一番面白かったのは、コンセプチュアルアートの第一人者ジョセフ・コスースの解答。
白い紙に書かれているのは、 「New York」 と 「Los Angeles」 の2つのワードだけ。
まさに、コンセプチュアル。




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