《シーボルトの肖像(描き起こし)》
江戸時代に長崎に医者として来日して、日本人のお滝さんとのロマンスがあって、
日本地図を持ち出そうとしたのがバレて、最終的には日本を追放されてしまった人物。
・・・・・というイメージが強いシーボルトですが。
追放から約30年後に、シーボルトは二度目の来日を果たしています。
一度目の滞在時にも、日本で数多くの資料をコレクションしていたようですが、
二度目の滞在時には、さらに精力的に、膨大な数の日本関係資料をコレクションしたそうです。
それらはすべて、ヨーロッパで日本の文化を紹介するため、
そして、ゆくゆくは 「日本博物館」 を開館するために蒐集されました。
実は、あまり知られていませんが、
シーボルトこそがヨーロッパで初めて日本展示を実現させた人物。
さらに言えば、世界で初めて、民族学の展覧会を実現させた人物だったのです。
そんな知られざるシーボルトの一面にスポットを当てたのが・・・
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
国立歴史民俗博物館で開催中の “よみがえれ!シーボルトの日本博物館” です。
展覧会の前半は、シーボルトの子孫が所蔵する資料を中心に、
シーボルトの日本での生活や、シーボルト事件でお馴染みの (?) 地図、
そして、シーボルトが開催した日本展示に関して・・・などなど、彼の半生を紹介。
そして、展覧会の後半では、ミュンヘン五大陸博物館が所蔵し、
今回が初里帰りとなるシーボルト・コレクション (シーボルト2度目の来日の際に収集した日本関係資料) を紹介。
それも、シーボルトの死の直前にミュンヘンで開催された、
「最後の日本展示」 を可能な限り、再現した状態で紹介していました。
また、一部、アムステルダムでの日本展示を再現したコーナーも。
しかも、プロジェクションマッピングで再現されています。
シーボルトのコレクションは、あくまで民族学的な観点から蒐集されたコレクション。
決して、美術的な観点からコレクションされているわけではないので、
歯磨き粉だったり、卵焼き用の鍋だったり、
何でもないようなモノも一緒くたに展示されているのが最大の特徴です。
それがかえって、今の日本人の目には、新鮮に映りました。
個人的に、印象に残っているのは、カツオ型の蓋物です。
《魚形蓋物(鰹)》
ミュンヘン五大陸博物館蔵 ©Museum Fünf Kontinente
ここに刺身を盛り付けていたのでしょうか。
これが、日本人のセンスだと、当時のドイツ人に思われていないといいのですが。。。
また、もっとも印象的だったのは、
シーボルトと親交が深かった出島の絵師・川原慶賀による 《人物画帳》 です。
川原慶賀 《人物画帳》 より 「入れ墨の男」
ミュンヘン五大陸博物館蔵 ©Museum Fünf Kontinente
普通に考えたら、画帳のため、全ページを展示するのは不可。
しかし、今回の展覧会では、全ページをデータ化。
こちらのモニターで、すべてを閲覧することが可能になっています。
花魁や醤油売りなど、わりとポピュラーな職業の人物も描かれているのですが。
中には・・・
白狐の扮装の男や泥棒といった、全くポピュラーじゃない職業の人物もちらほら。
これが、日本人だと、当時のドイツ人に思われていないといいのですが。。。
ちなみに。
今回の展覧会の図録には、とある仕掛けが。
カバーをめくると・・・
シーボルトが隠して持ち出そうとした日本地図が現れました。
隠そうとしたって、そうは問屋が卸しません。
幕府の役人の気持ちを少しだけ味わえました (笑)
┃会期:2016年7月12日(火)~ 9月4日(日)
┃会場:国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B
┃http://siebold-150.jp/
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