2012年に軽井沢にオープンした軽井沢ニューアートミュージアムに行ってきました。
白樺林をイメージした白い柱が特徴的な建築です。
その白い柱を、よーく見てみると、あのアーティストお馴染みの水玉模様が。
そして、美術館の中に入ると、あのアーティストお馴染みの立体作品がありました。
そう、こちらは、草間彌生さんをはじめ、
岡本太郎や井上有一といった国際的にも評価の高い日本の前衛アーティストを中心に紹介する美術館。
浮世絵に次ぐ、日本の “ニューアート” を発信していく美術館なのだそうです。
だから、軽井沢 “ニューアート” ミュージアム。
ここ最近出来たので、軽井沢 “ニュー” アートミュージアムと名乗っているのではありません。
さて、そんな軽井沢ニューアートミュージアムが、特に力を入れているのが、
「GUTAI」 の名で世界的に人気急上昇中の 「具体美術協会」 の作家たちです。
(「具体美術協会」 が何なのか具体的に知りたい方は、こちらの記事を参照くださいませ→“「具体」―ニッポンの前衛 18年の軌跡”)
現在は、「具体美術協会」 の創立メンバーの一人である嶋本昭三の回顧展が開催中。
こちらは日本初となる嶋本昭三の大規模な回顧展です。
嶋本昭三の名は、日本でこそ、あまり知られていませんが、
海外 (特にイタリア!) では、多くの人にその名を知られているのだとか。
1998年にロサンゼルス現代美術館で開催された “戦後の世界展” では、
ポロック、ジョン・ケージ、フォンタナと共に世界4大アーティストとして紹介されたほどの人物。
実は、相当スゴいアーティストなのです。
そんな嶋本昭三の代名詞ともいえるのが、「ビン投げ」 アート。
塗料を詰めたビンを画面に投げつけ、
塗料やビンの破片が飛び散ることで完成する迫力満点のアート作品です。
今回の展覧会には、初期の 「ビン投げ」 から、
晩年近くの 「ビン投げ」 まで、数多くの 「ビン投げ」 作品が紹介されています。
変遷をたどれる貴重な機会といえましょう。
(注:僕には、そこまで大きな変遷を感じ取れませんでしたがw)
ちなみに、実際に、嶋本昭三が 「ビン投げ」 アートをしている様子は、こちら↓
想像していたよりも、激しい制作スタイルです。
アスリートのように見えなくもありません。
それが原因で、「ビン投げ」 アートに、ドクターストップがかけられる日が。。。
しかし、嶋本昭三は、それで終わってしまうような男ではありません (←?)。
新たな 「ビン投げ」 アートの制作スタイルを思いつくのです。
その様子が、こちら↓
ここまで突き抜けてぶっ飛んでいると、もはや感動すら覚えます。
さすが、世界が認めた天才アーティストです。
この他にも、魚拓のように裸の女性に墨を塗って紙に転写した 「女拓」 や、
スキンヘッドの自分の頭に直接絵を描いたり映像を投影する 「スキンヘッドアート」 など、
『芸術とは、人を驚かせることである。』 という宣言通り、
驚きのあるアート (驚きしかないアート?) を、生涯発表し続けた嶋本昭三。
この唯一無二の世界観は、一見の価値ありです。
軽井沢は避暑地と聞いていましたが、嶋本昭三展は熱いです。
ちなみに、嶋本昭三は 「メールアート」 の活動にも力を入れていたようで、
嶋本本人が送った作品や、世界中のメールアーティストが嶋本に送った作品も紹介されていました。
(メールアート…郵便という手段を通してアートを見て欲しい相手に直接送りつける行為のこと)
その中には、こんなメールアート作品も。
切手を貼った干しだこを、嶋本に送った人も、かなりのツワモノですし、
人にこういう作品を作らせる何かを持っていた嶋本昭三もツワモノですが。
一番のツワモノは、こんな悪ふざけみたいなモノを、
受け取り拒否することもなく、ちゃんと送り届けた日本の郵便局のみなさまです (笑)
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嶋本昭三展 -前衛の衝撃-
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