~前回までのあらすじ~
「ヤツはとんでもないものをハンティングしていきました。
それはあなたの国宝です。」
と言われたとか。言われていないとか。
その真偽はともかくとして、日本全国の国宝をハンティングしている国宝ハンター。
これまでに、839件の国宝をハンティングしています。
彼が次に狙う国宝は?
2016年8月18日。
国宝ハンターは、岐阜駅へとやってきました。
岐阜といえば、織田信長の天下統一への足がかりとなった場所。
それゆえ、駅前には金の信長像が建っていました。
バブリーですね。。。
それはさておき、ここからバスに乗ること約30分。
目的地である護国之寺に到着しました。
護国寺ではありません。
護国之寺。
「ごこくしじ」 と読むのだそうです。
そんな護国之寺で、この日に行われていたのが、施餓鬼供養法要という行事。
字面だけ見ると、なんとも怖そうなイベントな感じがしますが。
もしかしたら、自分の先祖を辿っていくと、
一人二人は餓鬼道で苦しんでいる人がいるかもしれないので、
食べ物や飲み物をを施して供養しようというもの。
見ず知らずの先祖を想う、深い行事なのです。
この施餓鬼供養法要と、1月18日に行われる初観音護摩祈祷会の年2回だけ、
護国之寺で公開されるのが、国宝の 《金銅獅子唐草文鉢》 (ジャンル:工芸品) 。
国宝ハンターとしては、このチャンスを逃すわけにはいかないのです。
(ちなみに、普段はレプリカが展示されているとのこと)
さてさて、お坊さんが10人近く集まって、近隣の住人の方が50名以上集まって、
ガッツリと法要が行われている中、邪魔にならないようコソコソと拝見させて頂くことに。
さすがに、常識は持ち合わせているので、
パッと見て、スーッと帰ろうとしたところ、一人のお父さんに声をかけられました。
「こっちからのが見やすいよ」
「あ、はい。ありがとうございます。」
「どうだい?スゴいだろ?」
そう言って、《金銅獅子唐草文鉢》 について解説し始めるお父さん。
・奈良の大仏をデザインした日野金丸が、その褒美として聖武天皇から頂いたもの
・叩き出しで作られており、もっとも薄い部分は1mmほど
・それだけに、手にすると軽い (と、実際に手にしたことがある住職さんの娘から聞いた)
・当時は難しかった金メッキの技術が使われている
・さらに、その上に獅子や唐草模様が細かく先刻されている
ということを、次々に教えてくれました。
途中解説がヒートアップしすぎて、法要に参加されている方から、
「今、法要中なので、少し静かに!」
と注意を受けてしまいました。
「すいません。。。」
一緒に謝る僕。
ここで終わりかと思いきや、まだ解説は続くようです。
自分で言うのもなんですが、話を引き出す力には定評あり。
こうなったら (?) 、法要の邪魔にならない程度に、
《金銅獅子唐草文鉢》 に関しての情報を引き出してやろうではないですか。
すると、早速、お父さんから、とっておきの 《金銅獅子唐草文鉢》 トリビアをゲット。
なんでも、《金銅獅子唐草文鉢》 には、傷があるのだそうです。
その理由は、遠い昔にまで遡ります。
今でこそ立派な護国之寺ですが、実は荒れ果てていた時期があったそうで、
そのときに、《金銅獅子唐草文鉢》 は一度盗まれてしまったのだとか。
行方不明になって、しばし。
近くの農民が畑仕事をしていたときのこと、
畑にエイッと鍬を入れると、カツンという音がしたそうな。
何かと思って、畑を掘ってみると、そこから出てきたのは、なんと 《金銅獅子唐草文鉢》 だったのです!
そのときの鍬の跡が、《金銅獅子唐草文鉢》 に残っているのだとか。
・・・・・・帰宅後。
ネットでいろいろと調べてみましたが、そのような事実はヒットしきませんでした。
もしかしたら、とんでもない情報をゲットしてしまったのかもしれません。
信じるか信じないかはあなた次第です。
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第百二十五話 国宝ハンター、聞き出す!
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