資生堂ギャラリーで開催中の “そばにいる工芸” に行ってきました。
こちらは、“そばにいる=日常の生活のなかでそっと人間と寄り添う” 工芸をテーマにした展覧会です。
「一冊の本を売る書店」として知られる森岡書店のの代表・森岡督行さん協力のもと、
暮らしの基本となる 「食」 と 「住」 の側面から選ばれた6名の工芸作家の作品が展示されています。
鎌田奈穂さんの金工作品然り、
川端健夫さんの木工作品然り、
飛松弘隆さんの陶磁器製のランプシェード然り。
今回の展覧会に出展されているのは、誤解を恐れずにいうのであれば、地味な作品ばかりでした。
ただ、決して、“地味=つまらない” というわけではありません。
あえて個性を主張しない、言うなれば、周りの空気を読む工芸作品といいましょうか。
その気遣いのようなものに、温かみや品、心地よさを感じる工芸作品でした。
個人的にお気に入りだったのは、アメリカ出身のガラス作家ピーター・アイビー氏の作品です。
底にあるピョンとした角みたいな部分に、何とも言えない愛らしさを感じました。
クラフトそのものよりも、生き様が気になったのは、和紙職人のハタノワタルさん。
もともとは、美大で油画を専攻していたそうですが。
支持体として使っていた和紙そのものに興味を持ち、和紙職人に弟子入り。
修行3年後には、黒谷和紙漉き師として独立したそうな。
今では、ただ和紙を作るに飽き足らず、和紙の原料となる楮 (こうぞ) から作っているとのこと。
このペースでいくと (←?) 、そのうち畑を開墾するところから始めてしまいかねません。
大きなお世話は重々承知ですが、どこぞでストップを!
それから、益子焼作家の吉村和美さんのカラフル陶芸作品は、
どことなくモランディの絵画をほうふつとさせるものがあり、眺めていて楽しかったです。
細かいことですが、重ねて展示されているお皿もありました。
こういうさりげないディスプレイは、“そばにいる工芸” ならでは。
さて、これだけの “そばにいる工芸” を眺めていたら、
手に取ってみたく、触ってみたくなるのが、人間というものです。
しかし、展覧会ですから、触るのは厳禁。
でも!
会場の中央に設置された机の上にディスプレイされている工芸品に関しては・・・
お触り可能!!
思う存分、質感をお楽しみくださいませ。
ちなみに、会場の奥では、
出展作家6人全員のアトリエや制作の様子など、作品が生まれる背景の映像が投影されています。
こちらは、今回の展覧会のために制作されたオリジナル映像。
美しい映像にも注目です。
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