1995年には、阪神・淡路大震災。
2011年には、東日本大震災。
そして、今年は熊本地震と、地震が絶えない国・ニッポン。
大きな震災が起きるたびに、人の無力さを感じずにはいられません。
ましてや、アートなんて・・・。
震災と芸術。
このナイーブなテーマを真っ向から取り上げた展覧会が、
10月22日より、川崎市岡本太郎美術館で開催されています。
その名も、“「つくることは生きること 震災 《明日の神話》」展” です。
まずは、東日本大震災の直後から現在まで、
アートで復興を支える活動を続けてきた団体・ARTS for HOPEの活動の記録や、
彼女らのプロジェクトで生み出された作品がお出迎え。
「震災と美術」 がテーマなだけに、
ある程度暗い作品が多いであろうことは覚悟していたのですが。
予想に反して、ポップでカラフルな世界が広がっていました。
ハッキリ言って、アート作品としての完成度は、まぁまぁです。
でも、これほどまでに力強さを感じるハッピーな作品が他にありましょうか。
こちらが東北を盛り上げるべきなのに、
むしろ反対に東北の方々から元気を与えてもらってしまいました。
また、展覧会には、東北芸術工科大学で立ち上げたチュートリアル 「東北画は可能か?」 の作品や、
作間敏宏さんによるインスタレーション作品(《治癒》)、
「NO MUSIC, NO LIFE.」 のポスター写真を担当している写真家・平間至さんの作品など、
(↑ちなみに、壁の黒い部分の高さは4.8m。平間さんの故郷・塩竈を襲った津波の高さです)
アーティストたちが震災後に手がけた作品の数々も展示されています。
そんなアーティストの面々の中には、
『リリイ・シュシュのすべて』 や 『花とアリス』 でお馴染みのあの映画監督も。
展覧会の会場では、震災の約1年後に発表された、
『friends after 3.11 劇場版』 が上映されていました。
忘れてはいけない。
風化させてはいけない。
・・・と頭や心ではわかっているのですが、
ついつい日々の生活に追われてしまい、震災のことを忘れてしまいがち。
震災について再び考える、見つめ直すきっかけとなる良い機会でした。
ちなみに、今回の作品の中でもっとも印象的だったのが、
福島市在住の現代アーティスト・片平仁さんによる 《原発頭ver.4》 という作品です。
3DCGで描かれているのは、原発。
人災であったことのメタファーとして、あえて人面のようなヴィジュアルにしているのだとか。
当時、絶えず報道されていた原発の映像も不穏で空恐ろしさを感じさせられましたが。
この作品からは、それ以上にダイレクトに不穏で空恐ろしさが伝わります。
アートの持つ力やアートで表現する意味を再認識させられる作品でした。
さてさて、こちらの展覧会には、《明日の神話》 のキャンバス画と、
東北で撮影した写真群が展示されていましたが。
岡本太郎の存在は、いつもよりは控えめな印象でした。
その代りと言ってはなんですが、常設展会場では、いつも以上に太郎さんワールドが爆発中!
目玉をモチーフにした太郎作品で満たされた空間を、
ファミコンRPGのダンジョンに見立てるという斬新な発想の展示でした。
キャプションもファミコンRPG風。
オープニング映像もファミコンRPG風。
アイディアが爆発してました。
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「つくることは生きること 震災 《明日の神話》」展
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