今年の大河ドラマ 『平清盛』 に。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』 に。
そして、 『ワンピース』 に。
ドラマでも映画でも漫画でも、海賊が大活躍!
そんな海賊ブームの波は、美術館の世界にも。
東洋文庫ミュージアムでは、
6月24日まで、 “東インド会社とアジアの海賊” という美術展が開催中です。
こちらは、東洋文庫が誇る膨大なコレクションの中から、
東インド会社と、アジアの海賊に関する品を紹介する美術展。
アジアの海賊…と言われても、あまりピンときませんが。
例えば、紹介されていたのが、鄭成功 (1624~1662) という人物。
・・・やはり、ピンと来ません (苦笑)
しかし、鄭成功の俗称ならば、聞いたことがありました。
彼の俗称は、 “国姓爺” 。
そう。近松門左衛門の戯曲 『国姓爺合戦』 は、鄭成功をモデルにした戯曲。
今回の展覧会を通じて、そんなことを学びました。
勉強になりますφ(◎_◎;)
他に、海賊関連の展示は・・・あれ?ほとんどありません (笑)
展示のほとんどは、東インド会社のコインだったり、
東インド会社の貿易責任者の肖像だったり、
…と、東インド会社関連のもの。
海賊目当てで行くと、ちょっと肩すかしを食らいます。
海賊に関する展示品でめぼしいものと言えば、こちらくらいなもの。
香港の海賊たちを、イギリスの香港政庁が征討した時のニュース記事です。
せっかくなので (?) 、捕まった海賊の姿を、アップで見てみましょう。
意外と、ショボい… (笑)
たぶん懸賞金は、2ベリーくらいでしょう。
海賊のショボさもさることながら、
捕まえた側の人間のカッコつけ感に、イラッと来ます。
カメラを意識し過ぎるにも、ほどがあります。
お目当ての海賊関連の展示品は少なかったですが、
そうお目当てでもない (?) 東インド会社関連の展示品の中には、貴重な品が数々ありました。
(おそらく、海賊よりも、東インド会社がメインの展覧会なのですね)
例えば。
こちらは、教科書でもお馴染みのアダム・スミスの 『国富論』。
展示されているのは、貴重な初版本。
この本が主張したのは、
「国家を豊かにするには、自由貿易をすべきだ!」
ということ。
つまり、独占貿易体制だった東インド会社が、その批判の対象でした。
1858年に、東インド会社は、解散。
そのきっかけを作ったのは、この一冊だったのかもしれません。
また、こちらは、重要文化財に指定されている 《ジョン・セーリス航海日誌》
ジョン・セーリスさんとは、イギリスの公式使節として、初めて日本を訪れた人物。
1611年に来日して、1614年に帰国するまでの出来事が、自筆で記されているのだとか。
日記とは思えないレタリングに、驚かされます。
確実に、人に見られることを意識して書いていますね (笑)
さてさて、最後に。
今回の展覧会を通じて、一つ、気になってしまったことが。
“ひょっとして、東洋文庫ミュージアムのキャプションは、笑いを取りにいってません??”
そんな疑惑 (?) が芽生えたのは、
こちらのアジアの地図に対するキャプション。
『世界の中心アムステルダムで地図を作る』 とありました。
ん?もしや・・・あの小説風??
世界の中心で、愛をさけぶ/片山 恭一
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いやいや、そんなノリで、キャプションを作ったりしないですよね。
たまたま、フレーズが似ちゃっただけですよね。
と、自分に言い聞かせていたのですが (←なぜ?) 、
こちらの 《茶の製造工程》 を描いた一枚のキャプションを見て・・・
“これは、完全に笑いを取りにいってますなwww”
と、確信しました。
『そんな無茶な・・・!』
100%ダジャレです。
今後も、東洋文庫ミュージアムのキャプションに期待です (笑)
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東インド会社とアジアの海賊
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