■エゴン・シーレ 死と乙女
監督:ディーター・ベルナー
出演:ノア・サーベトラ、マレシ・リーグナー、ファレリエ・ペヒナー
2016年/オーストリア・ルクセンブルク/109分/R15+
20世紀初頭に活躍し、28歳で早逝した異端の天才画家エゴン・シーレの半生を描いた伝記ドラマ。
数多くのモデルと浮名を流すなど、スキャンダラスな逸話も多いシーレ。
彼にとって、特に大きな存在となった2人の女性との濃密な日々が描かれる。
1910年、美術アカデミーを退学したシーレは、
画家仲間と 「新芸術集団」 を結成し、妹ゲルティの裸体画で頭角を現す。
ゲルティも16歳でヌードモデルを務め、敬愛する兄を献身的に支え続けた。
グスタフ・クリムトから17歳のモデル、ヴァリを紹介されたシーレは、彼女と同棲を開始。
幼児性愛者などと世間から誹謗中傷を浴びながらも、シーレはヴァリをモデルに数々の作品を発表。
シーレが時代の寵児ともてはやされる中、第1次世界大戦が勃発。
シーレとヴァリは時代の波に翻弄されることとなる。
(「映画.com」より)
「・・・・・・・・・まぁ、感じの悪い映画でした。 (注:本日は黒とに~モードです)
エゴン・シーレの史実に沿ってはいましたが。
実の妹とはアブナイ関係だわ、モデルとはすぐにイイ関係になるわ、
少女のヌードを描いたり、ホテルに連れ込んだりでロリコン疑惑で裁判にかけられるわ。
芸術家としてはともかくも、ロクな男ではありません。
挙句は、この絵のモデルでもあるヴァリに対する仕打ちが、あまりにもゲスい!
献身的に尽くしてくれたヴァリからあっさり鞍替えし、
シーレに想いを寄せてきたご近所のお金持ちエディットと結婚しちゃうのです。
しかも、完全にヴァリと別れるのではなく、
記念日を設けて、年に1回会おうという約束をしようとする始末。
まさにゲスの極み。
ゲスの極み死と乙女です。
こんな女性の敵のような男が主人公の映画。
ゲス不倫に厳しい昨今の風潮もあることですし、
さぞかし、ボロクソに叩かれているのだろうと思いきや。。。
ネット上にあがっていたのは、
“エゴン・シーレ役のノア・サーベトラがイケメンだから嫌味がなかった♪”
という多数の賞賛の声。
けっ! (←舌打ち)
結局のところ、イケメンは何をやっても許されるし、モテるっていうことですね。
イケメンでない人間にとっては、残酷な真実を突きつけられるだけの映画でした。
観なきゃよかった!
そして、イケメンに生まれてみたかった!
・・・・・と、個人的なことは置いておきまして。
エゴン・シーレの映画としては、とてもよく出来ていたと思います。
この絵のモデルであるモアが、この格好で登場したり、
妻のエディットが、この絵と同じ服装で登場したり、
世界観を再現しようと、ディテールまでこだわり抜かれていたのが印象的でした。
それだけに、クリムトはもう少し似てる役者さんを見つけて欲しかったかも。
せめて、この写真のイメージに近づけようとしていたのですが、
猫のほうは、完全にイヤイヤ抱かれている感じでした。
コレジャナイ感がハンパなかったです。
(星2.5つ)
~映画に登場する名画~
《死と乙女》
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Film:38 『エゴン・シーレ 死と乙女』
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