19世紀パリで活動した前衛的な芸術家グループ 「ナビ派」。
そんな 「ナビ派」 の全貌を日本で初めて本格的に紹介する展覧会、
“オルセーのナビ派展:美の預言者たち―ささやきとざわめき” が、三菱一号館美術館で開催中です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
さてさて、「ナビ派ってナニ?」 という方のために、
まずは、ナビ派について、ナビするところから始めたいと思います。
時は1888年。
若き画家ポール・セリュジエは、憧れのゴーガン (ゴーギャン) に会いにポン=タヴェンへ。
そこで、セリュジエは、ゴーガンから衝撃的なアドバイスを受けるのです。
「この木々は何色に見えるかね?」
「(常識的に考えて)緑ですよね」
「本当に??」
「あ、いや、うーん。黄色っぽく見える気がしました。」
「なら、黄色で描きたまえ」
「絵って、そんな自由に描いてイイんすか?!」
その教えを受けて描いたのが、こちらの1枚。
ポール・セリュジエ 《タリスマン(護符)、愛の森を流れるアヴェン川》
1888年 油彩/板 © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
かくして、すっかりゴーガン教 (?) の信者となったセリュジエは、次々と仲間たちを勧誘。
ゴーガンをリスペクトするメンバーは、
自らを預言者 (=ナビ) になぞらえ、ナビ派を名乗るように。
そして、彼らは、日常と神秘の両方を併せ持つ独自の芸術表現を模索していくのです。
ちなみに、ナビという言葉はヘブライ語とのこと。
英語の 「ナビゲーション」 「ナビゲーター」 とは関係ありませんでした。
ついでなので、「ナビスコ」 についても調べてみましたが、
そちらは、ナショナル・ビスケット・カンパニー (National Biscuit Company) の略とのこと。
もっと関係ありませんでした。
そんなナビ派の一大コレクションを有しているのが、オルセー美術館。
今回の展覧会では、オルセー美術館が所蔵するナビ派の名品の数々がまとめて来日しています。
それらの中には、ポール・セリュジエの 《タリスマン(護符)、愛の森を流れるアヴェン川》 も。
さらには、ナビ派の重要メンバーの一人で、
2014年に開催された大回顧展で話題となったヴァロットンの作品群も再来日を果たしています。
さらにさらに、ナビ派メンバーにとってのカリスマ・ゴーガンのあの名作も来日!
ポール・ゴーガン 《「黄色いキリスト」のある自画像》
1890-1891年 油彩/カンヴァス © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / René-Gabriel Ojéda / distributed by AMF
目新しさもあり、かつ見ごたえもあり。
実に豪華な内容の展覧会でした。
また、三菱一号館美術館の展示室の内装が、
平面的で室内を飾るのに適したナビ派の作品に絶妙にマッチ。
その相乗効果もあって、3ツ星です。
基本的には、ナビ派のメンバーの作品は、
色彩とか造形とか構図とか、何か可愛らしいものが多いのですが。
「彫刻家のナビ」 と呼ばれたジョルジュ・ラコンブの作品だけは、異質も異質。
可愛さのかけらもありませんでした (笑)
画面左の乳から血をジェット噴射している女性は、怪物 《イシス》。
一体、どんな人がこれを室内に飾ろうというのか。。。
そう言えば、こんな感じの彫刻って、タワー・オブ・テラーに飾ってあったような。呪いのヤツ。
ちなみに、個人的に気になった一枚は、モーリス・ドニの 《青いズボンの子ども》 (画面左)。
お母さんもいるのに、奥にも女性がいるのに。
タイトルは、なぜか子どもだけをフィーチャー。
そして、言うほどズボンは青くなかったです。
せめて、《ストライプのズボンの子ども》 のが良いのでは?
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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そんな 「ナビ派」 の全貌を日本で初めて本格的に紹介する展覧会、
“オルセーのナビ派展:美の預言者たち―ささやきとざわめき” が、三菱一号館美術館で開催中です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
さてさて、「ナビ派ってナニ?」 という方のために、
まずは、ナビ派について、ナビするところから始めたいと思います。
時は1888年。
若き画家ポール・セリュジエは、憧れのゴーガン (ゴーギャン) に会いにポン=タヴェンへ。
そこで、セリュジエは、ゴーガンから衝撃的なアドバイスを受けるのです。
「この木々は何色に見えるかね?」
「(常識的に考えて)緑ですよね」
「本当に??」
「あ、いや、うーん。黄色っぽく見える気がしました。」
「なら、黄色で描きたまえ」
「絵って、そんな自由に描いてイイんすか?!」
その教えを受けて描いたのが、こちらの1枚。
ポール・セリュジエ 《タリスマン(護符)、愛の森を流れるアヴェン川》
1888年 油彩/板 © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
かくして、すっかりゴーガン教 (?) の信者となったセリュジエは、次々と仲間たちを勧誘。
ゴーガンをリスペクトするメンバーは、
自らを預言者 (=ナビ) になぞらえ、ナビ派を名乗るように。
そして、彼らは、日常と神秘の両方を併せ持つ独自の芸術表現を模索していくのです。
ちなみに、ナビという言葉はヘブライ語とのこと。
英語の 「ナビゲーション」 「ナビゲーター」 とは関係ありませんでした。
ついでなので、「ナビスコ」 についても調べてみましたが、
そちらは、ナショナル・ビスケット・カンパニー (National Biscuit Company) の略とのこと。
もっと関係ありませんでした。
そんなナビ派の一大コレクションを有しているのが、オルセー美術館。
今回の展覧会では、オルセー美術館が所蔵するナビ派の名品の数々がまとめて来日しています。
それらの中には、ポール・セリュジエの 《タリスマン(護符)、愛の森を流れるアヴェン川》 も。
さらには、ナビ派の重要メンバーの一人で、
2014年に開催された大回顧展で話題となったヴァロットンの作品群も再来日を果たしています。
さらにさらに、ナビ派メンバーにとってのカリスマ・ゴーガンのあの名作も来日!
ポール・ゴーガン 《「黄色いキリスト」のある自画像》
1890-1891年 油彩/カンヴァス © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / René-Gabriel Ojéda / distributed by AMF
目新しさもあり、かつ見ごたえもあり。
実に豪華な内容の展覧会でした。
また、三菱一号館美術館の展示室の内装が、
平面的で室内を飾るのに適したナビ派の作品に絶妙にマッチ。
その相乗効果もあって、3ツ星です。
基本的には、ナビ派のメンバーの作品は、
色彩とか造形とか構図とか、何か可愛らしいものが多いのですが。
「彫刻家のナビ」 と呼ばれたジョルジュ・ラコンブの作品だけは、異質も異質。
可愛さのかけらもありませんでした (笑)
画面左の乳から血をジェット噴射している女性は、怪物 《イシス》。
一体、どんな人がこれを室内に飾ろうというのか。。。
そう言えば、こんな感じの彫刻って、タワー・オブ・テラーに飾ってあったような。呪いのヤツ。
ちなみに、個人的に気になった一枚は、モーリス・ドニの 《青いズボンの子ども》 (画面左)。
お母さんもいるのに、奥にも女性がいるのに。
タイトルは、なぜか子どもだけをフィーチャー。
そして、言うほどズボンは青くなかったです。
せめて、《ストライプのズボンの子ども》 のが良いのでは?
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