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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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江戸の絶景~雪月花

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現在、太田記念美術館では、“江戸の絶景~雪月花” という展覧会が開催されています。

絶景


こちらは、絶景が描かれた浮世絵にスポットを当てた展覧会で、
「雪」 「月」 「花」 「山と水辺」 「寺社」 のテーマにわけて、それぞれが紹介されています。
直球勝負。王道な浮世絵展でした。
星


さてさて、北斎や国芳の作品もあるにはありましたが。
風景画と言えば、やはり歌川広重の独壇場。
出展作品の実に全体の4分の3ほどが、広重作品でした。

今回出展されていた作品の中で、最も感銘を受けたのは、《六十余州名所図会 美濃 養老ノ瀧》 です。

《六十余州名所図会 美濃 養老ノ瀧》


画面の約半分が、滝という斬新なレイアウト。
しかも、木目を活かして、滝の流れを表現しているのが、なんとも粋です。
惚れ惚れするほどセンスを感じる1枚でした。


また、センスを感じたと言えば、《江戸近郊名所 萩寺》 も。

江戸近郊名所 萩寺


浮世絵っぽさ (?) がなく、まるで水彩画のような味わい。
それだけにモダンな印象を受けました。
広重作と言われなければ、大正や昭和の作家の作品と勘違いしてしまったかもしれません。


さて、ここからは気になった作品を、いくつかご紹介いたします。
まずは、《東都名所 芝愛宕山上之図》

《東都名所 芝愛宕山上之図》


江戸時代も、やはり虹は絶景。
何人かは虹に気が付き、指を指したり、見上げたりしています。
が、肝心の虹が、たったの2色。
少なっ!


続いては、《東都司馬八景 田町秋月》
描かれているのは、田町の御田八幡神社です。

田町・御田八幡神社


皆、月に夢中のようですね。
しかし、僕のハートを射止めたのは、月ではなく狛犬。

田町・御田八幡神社


適当に描いている感じなのですが、カワイイです。
雑カワイイ。


こちらは、《名所江戸百景 日暮里寺院の林泉》 の初期ver.。

《名所江戸百景 日暮里寺院の林泉》


なぜわかるのかと言えば、重大なミスプリントがあるから。
このあとに摺られたものからは、そこは直っているそうです。
さて、どこがミスプリントなのか、おわかりになりましたでしょうか?
正解は、こちら。

しだれ


しだれ桜の下半分が、地面の色と同化しちゃっています。
パッツンな桜。
イジリー岡田みたい。


最後に紹介したいのは、広重の作品ではなく、二代歌川豊国の 《名所八景 富士暮雪》

名所八景 富士暮雪


富士山になんか違和感。
こんなに傾斜キツかったかな。
雪が5合目くらいまで積もることってあるのかな。
富士山ではなく、何か別のものに似ているような・・・・・あっ!アポロひらめき電球

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