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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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パロディ、二重の声 ――日本の1970年代前後左右

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『水曜日のアートテラー』『関東一円アーツの旅』 、そして、最近では、トツギーノ風ティツィアーノと。
とにかくパロディが大好きな僕が、「パロディ」 をテーマにした展覧会、
“パロディ、二重の声 ――日本の1970年代前後左右” に行ってきました。

ステーション


まず会場の冒頭に飾られているのは、大量の 《モナ・リザ》
否、《モナ・リザ》 っぽい何やら。

モナリザ


こちらは、《モナ・リザ》 を研究している山縣旭 (レオ・ヤマガタ) さんによるシリーズ作、
「歴史上100人の巨匠が描くモナ・リザ」 で、ほとんどの作品が今回のための描き下ろしなのだとか。
展覧会場に一歩足を踏み入れて、まず目に飛び込んでくるのがこの光景。
なかなかのカウンターパンチでした (笑)


展覧会は、全部で3章で構成されています。
第一部でフィーチャーされているのは、日本にパロディという言葉が浸透する1960年代。

アート


赤瀬川原平や秋山祐徳太子さん、横尾忠則さんなどのアート作品が紹介されています。
作品自体は面白かったのですが。
パロディなのか単なる引用なのかオマージュなのか、
はたまたパクリなのか、曖昧なラインの作品が多かったように思いました。
「・・・あれ?そもそもパロディって何だろう?」 と、パロディの迷路に迷い込むこと必至です。


続く第二部が、今回の展覧会のハイライト。
日本にパロディブームが起こった1970年代に焦点が当てられています。
アート作品も紹介されてはいましたが、アートに限らず、

漫画
ポスター
本


パロディの漫画やパロディのポスター、パロディの書籍なども紹介されていました。
まさに、パロディの氾濫期。
いかにパロディが日本に浸透していたのかが、よくわかりました。

そんなパロディブームを牽引したとされるのが、
パルコ出版より10年近く発行されたという伝説のパロディ雑誌 『ビックリハウス』 。

パルコ


お恥ずかしながら、全くこの雑誌の存在を知りませんでした (汗)
パロディ好きとしては、不徳の致す限り。
会場内で、実際の 『ビックリハウス』 を読むことが出来たので、早速チェックしてみました。

会場


・・・・・まぁ、くだらなかったです (笑)

これだけ、くだらない雑誌 (←いい意味で) が流行っていたということは、
1970年代は、よっぽどネジが緩んでいた時代 (←いい意味で?) だったのではなかろうか。
ある意味、1970年代が羨ましくなりました。


さてさて、展覧会のラストを飾るのは、いわゆる 「パロディ事件」 に関して。
デザイナーのマッド・アマノ氏が発表したフォトモンタージュ作品の一部に、
写真家の白川義員氏が撮影したスキーヤーの写真が無断で使われていたことに端を発し、
足かけ16年にも及ぶ泥沼裁判へと発展した事件です。
会場では、その資料や判決文が紹介されていたのですが・・・。

パロディ
資料


正直なところ、全然興味が湧きませんでした (笑)
第一部、第二部に良い感じのごちゃごちゃ感、バラエティ感から一転。
急に放送大学みたいなトーンに。
「もしかして、そういう何かのパロディ?」 とも考えてみたのですが。
どうやらそうでもなかったです。
う~ん。わざわざ展覧会に足を運んでまで、この一連の事件の顛末を見させられても。。。

「パロディ」 というテーマから、
ニヤニヤ楽しい展覧会、ゆるゆる楽しい展覧会を勝手に想像していたのですが。
全体的には、やや硬い印象でした。
星
テレビっ子の僕個人的には、1970年代以降のテレビにおけるパロディも取り上げて欲しかったです。
『カノッサの屈辱』 とか 『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』 とか。




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