現在、すみだ北斎美術館では、“てくてく東海道-北斎と旅する五十三次-” が開催されています。
こちらは、葛飾北斎が描いた 「東海道五十三次」 にスポットを当てた展覧会です。
「東海道五十三次」 といえば、歌川広重というイメージがありますが。
実は、広重よりも30年も前に、北斎は 「東海道五十三次」 を描いていたようです。
貴重な《春興五十三駄之内》 の初摺ver.をはじめ、
《五十三次江都の往かい》 や 《東海道五十三次絵尽》 など、
会場には、北斎が手掛けた数々の東海道五十三次モノが紹介されていました。
葛飾北斎 《春興五十三駄之内 日本橋》
葛飾北斎 《東海道五十三次絵尽 土山》
しかし、これだけ多く東海道五十三次の絵を描いていながらも、
今の今までほとんど知られていなかった理由は、なんとなく想像がつきました。
どう考えても、広重の 《東海道五十三次》 のが魅力的。
例えば、同じ箱根を描いた絵を見比べてみます。
広重の描いたほうが、ガイドブックのような印象だとするならば、
北斎の描いたほうは、誰かが旅先で撮影したスナップ写真という印象。
旅行に行きたくなるのは、圧倒的に広重の描いたほうです。
また、強引な客引きをする留女が有名だった御油宿の様子を広重が描くと・・・
こんな風にコミカルになりますが。
北斎が描くと、こんな感じになってしまいます↓
http://www.jiji.com/jc/d4?p=hks053-DSC_7703&d=d4_season
無表情で旅人を引き留めようとする留女。
サイコです。
とはいえ、全部が全部、広重に負けていたわけではありません。
今回展示されていた作品の中で、
個人的に印象的だったのは、《(東海道五十三次) 大磯》 です。
大磯にある虎ケ石は、イケメンにしか持ち上げられない石として有名だったのだとか。
ということで、持ち上げてみようと頑張っている男性と、
持ち上げられなかったのでガッカリしている男性が描かれています。
どちらも、非イケメンですね。
それと、東海道をものすごいバードアイで描いた 《東海道名所一覧》 も印象的な一枚。
東海道をひとまとめで描いてしまおうという発想がスゴい。
そして、絵の中に無理やり収めるために、本州を力技で押し曲げるという発想もスゴい。
富士山は、デカすぎ。
朝日は、妙なところから昇っています。
総じて、ヘンな絵です。
ちなみに、個人的には、《東海道 彩色摺 五拾三次》 (展示風景は、こちら)というシリーズも気になりました。
サイズが、完全に永谷園の東海道五十三次カード。
広重のキャンペーンが終わったら、次は北斎の 《東海道 彩色摺 五拾三次》 なのかも。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
てくてく東海道-北斎と旅する五十三次-
↧