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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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特別展「没後150年 坂本龍馬」

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今年2017年は、幕末のスーパースター・坂本龍馬の没後150年という節目の年。
それを記念して、現在、江戸東京博物館にて、“特別展「没後150年 坂本龍馬」” が開催されています。

坂も龍馬


会場に入って、まず何よりも驚いたのが、観客の男性率の高さ。
4人に3人。実に約75%は、男性客でした。
逆に、普通の展覧会の会場に多いF2層は、ほとんど見受けられなかったような。
坂本龍馬ファンで賑わう展覧会といった印象を受けました。


かくいう僕も、坂本龍馬ファンの一人です。
《海獣葡萄鏡 坂本龍馬使用》 をはじめ、

海獣葡萄鏡 坂本龍馬使用》
《海獣葡萄鏡 坂本龍馬使用》 明~清 京都国立博物館蔵


展示された数々の龍馬の愛用品には、もれなくテンションがあがりました。
中でも、もっともテンションがあがったのは、坂本龍馬の愛刀 「陸奥守吉行」 。

陸奥守吉行
《刀 銘吉行 坂本龍馬佩用》 江戸時代(17~18世紀) 京都国立博物館蔵 


兄の権平から譲り受け、暗殺されたその時まで大事に持っていたとされる刀です。
実は、この刀は、数年前まで、「ホンモノではないかも・・・」 という疑惑が付きまとっていました。
というのも、この刀には、反りも吉行の特徴的な刃紋もないからです。
しかし、一昨年に、北海道釧路市の子孫方で火事に遭っていたことを示す資料が発見!
それは、反りも刃紋も無くなるよね、ということで、ホンモノと認定されてホヤホヤの刀なのです。
そういう意味で、刀としては、正直なところ、美しくもなんともなかったですが。
いろいろな過去があったという風格は感じられました。


ちなみに、4月29日から3日間限定で、
《坂本龍馬湿板写真》 のホンモノが展示されていたようです。

写真
《坂本龍馬湿板写真》 慶応2年または3年頃 高知県立歴史民俗資料館蔵
(注:展示期間は4/29~5/1 ※3日間限定公開、以降は複製展示)



僕が訪れたときは、残念ながらレプリカが展示されていました。
レプリカとはいえども、せっかくなので、この日本一有名な肖像写真をじっくりと鑑賞。
すると、あることに気が付いてしまいました。
くせっ毛であること。
(実際には右手も左手も服の中に隠しているだけですが、)両手が見えないこと。
ウエストラインを少し捻っていること。

ミロ


《ミロのヴィーナス》 になんとなく似ているのです。
下半身を覆っているものも、なんとなく似ています。
龍馬と 《ミロのヴィーナス》 に、こんなに共通点があったとは。


さて、限定公開と言えば、5月23日から6月4日まで2週間限定で、「血染掛軸」 も展示されるそうです。

限定
重要文化財 板倉槐堂 《梅椿図(血染掛軸)》 慶応3年(1867) 京都国立博物館蔵
(注:展示期間は5/23~6/4 ※左記以外は複製展示)



龍馬が暗殺された近江屋の床の間に飾られていたもので、
掛軸の下のほうには、血の付いた指で触れたかのような血痕が見られます。
こちらも僕が訪れたときは、残念ながらレプリカが展示されていたのですが。
ちゃんと血痕も再現されていました。
無ければ無いで寂しいのでしょうが、あればあるでややゾッとしました (笑)


また、展覧会には龍馬の愛用品だけでなく、龍馬の手紙も多く紹介されています。

手紙
重要文化財 《龍馬書簡 慶応二年十二月四日 坂本乙女宛》(部分) 慶応2年(1866) 京都国立博物館蔵
(注:展示期間は5/23~6/4)



噂には聞いていましたが、龍馬はかなりのメール魔のようです。
中には5メートル近くにも及ぶ手紙もありました。
大事な話から、わりとどうでもいい話まで、つらつらと書き連ねていました。
今の時代に龍馬がいたら、ずっとLINEをやっているのではなかろうか。


龍馬にスポットを当てた展覧会なので、龍馬関連の資料が多かったのはもちろんなのですが。
龍馬が活躍した時代のことを理解しやすくするために、幕末の関連資料も多く展示されています。
龍馬ファンだけでなく、幕末ファンにも嬉しい展覧会ぜよ。
星




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