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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ムットーニ・パラダイス

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改修工事のため、約半年間にわたって休館していた世田谷文学館。
そのリオープン第1弾記念企画展として、
4月29日より開催されているのが、“ムットー二・パラダイス” です。

ムットーニ


こちらは、自動からくり人形作家・ムットーニこと、
武藤政彦氏の最新にして、これまでの集大成となる展覧会。
からくり人形作品デビュー作となる 《天国と地獄》 から、

 《天国と地獄》 1987年


中原中也記念館での展覧会で初お披露目された2015年の新作 《アトラスの回想》 や、

アトラス
《アトラスの回想》(中原中也「地極の天使」より) 2015年


昨年、豊田市美術館での “蜘蛛の糸” で発表されたばかりの 《蜘蛛の糸》 まで、

蜘蛛の糸
《蜘蛛の糸》(芥川龍之介「蜘蛛の糸」より) 2016年


約45点のムットーニ作品が会場に集結していました。
貴重なデビュー作や最新作が展示されているということ以外は、雰囲気も内容も、
八王子市夢美術館で過去3回にわたって開催されてきた “ムットーニワールド” と、ほぼ一緒。
タイムテーブルに沿って、作品が動き出すシステムも一緒です。

タイムスケジュール


ワールドとパラダイスの違いは、これといって無いような印象を受けました。
星星


“ムットーニワールド” で眼にした作品も、いくつかありましたが。
何度見ても見飽きず、何度見ても発見があるのが、ムットーニ作品の魅力。
今回もどっぷりと作品世界にハマってしまいました。

特に印象的だったのが、萩原朔太郎の詩をモチーフにした 《題のない歌》 という作品。

《題のない歌》(萩原朔太郎「題のない歌」より)
《題のない歌》 (萩原朔太郎「題のない歌」より)  2016年


これまでの作品とは違い、カメラとプロジェクターが使用されているのが特徴です。
カメラアングルがプラスされたことで、より映像的な仕上がりに。
観終わったときには、『世にも奇妙な物語』 を1話見たくらいの充足感がありました。


他にも、宇宙飛行士をモチーフにした 《アローン・ランデブー》 や、
バーとお酒がテーマの 《ハート・アタック》《クカラ》 という作品が個人的にオススメです。
ふと気が付けば、鑑賞し始めてから、あっという間に2時間が経過していました。
その間、おそらく自分の意志で会場を歩き回っていたはずなのですが、よく思い出せず。。。
タイムテーブルに沿って、無意識に会場をあちこちと歩き回らされていた気さえしてきました。
もしかしたら、僕もムットーニ氏のからくり人形の一部にされてしまったのかもしれません。


残念なことに、今回の展覧会のための最新作 《ヘル・パラダイス》 は、まだ出展されておらず。
5月中旬に完成予定だそうです。
また行かねば!
すっかり、ムットーニ氏に操られている気がします。

ちなみに、チラシのセンターでトランペットを吹いているのがムットーニ氏です。

うっとーに


わりと前に出てくるタイプのアーティスト。




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