植物や野菜などのモチーフを組み合わせて人の顔のように見せる独創的な肖像画、
いわゆる 「寄せ絵」 で知られる16世紀イタリアの画家ジュゼッペ・アルチンボルド。
その待望の日本初となる “アルチンボルド展” が、国立西洋美術館で開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
見どころは何と言っても、アルチンボルドを代表する連作 『四季』 のフルコンプ展示。
80種類以上の花々が描かれた 《春》 と、
ジュゼッペ・アルチンボルド 《春》 1563年 油彩/板 マドリード、王立サン・フェルナンド美術アカデミー美術館蔵
© Museo de la Real Academia de Bellas Artes de San Fernando. Madrid
カボチャやトウモロコシ、さくらんぼといった野菜や果物で構成された 《夏》 と、
ジュゼッペ・アルチンボルド 《夏》 1572年 油彩/カンヴァス デンバー美術館蔵
© Denver Art Museum Collection: Funds from Helen Dill bequest, 1961.56 Photo courtesy of the Denver Art Museum
茸や洋ナシ、葡萄など秋の味覚満載の 《秋》 と、
ジュゼッペ・アルチンボルド 《秋》 1572年 油彩/カンヴァス デンバー美術館蔵
© Denver Art Museum Collection: Funds from Helen Dill bequest, 1961.56 Photo courtesy of the Denver Art Museum
パッと見は枯れ果て苔むした老木にしか見えない 《冬》 とが、
ジュゼッペ・アルチンボルド 《冬》 1563年 油彩/板 ウィーン美術史美術館蔵
© Kunsthistorisches Museum, Wien
奇跡的に、日本に集結しています。
さすが、四季を楽しめる国・日本です。
さらに!
今回は、『四季』 と対になる連作 『四大元素』 もフルコンプされています。
《秋》 は、対応する 《大地》 と、
《冬》 は、対応する 《水》 と、
向かい合わせの形で展示された4組のペアが、4面の壁に展示されています。
この贅沢で濃厚な空間を味わえるだけでも、足を運ぶ価値は大いにありです!
『四季』 や 『四大元素』 も、もちろん良かったですが。
個人的にお気に入りなのは、アルチンボルドによる上下絵です。
ジュゼッペ・アルチンボルド 《コック/肉》 1570年頃 油彩/板 ストックホルム国立美術館蔵
© Photo: Bodil Karlsson/Nationalmuseum
上下絵とは、文字通り、上下逆さまにすると、別のイメージに見える絵のこと。
このブログをスマホでお読みになっている方は、
是非、上で紹介した 《コック/肉》 を逆さまにして見てみてください。
あら不思議。
銀の皿に美味しそうな子ブタや鳥の丸焼きが乗った料理の絵が、
浅黒い肌をした男性肖像画に、あっという間に大変身してしまいました。
手の位置が妙なのは、ご愛敬。
前後期で、上下が逆になる予定は、今のところ無さそうなので。
展覧会では、脳内で上下回転させて楽しんでくださいませ。
また、素描作品ではありましたが、《自画像(紙の男)》 もお気に入りな1枚。
自分の顔を、画家の命=紙だけで表現するアイディアは、やはりただモノではありません。
さて、襟元に書かれた 「1587」 という数字は制作年、
額に書かれた 「61」 という数字は制作時のアルチンボルドの年齢を表しているのだとか。
紙に描かれいるため、当然、時間の経過とともに、紙に染みがつくわけですが。
もしかしたら、61歳の自画像なので、自身の顔の染みを、
いずれ紙に染みがつくことを見越して表現したのかもしれませんね。
ちなみに、アルチンボルド展ではありますが。
会場には、アルチンボルド以外にも、
アルチンボルドに大きく影響を与えたレオナルド・ダ・ヴィンチの作品や、
アルチンボルドと同時代に活躍した作家による寄せ絵など、
アルチンボルドに関連する作品も多数紹介されています。
一点一点見てみると、それぞれの作品はそこまでアルチンボルドと関係ないように思えましたが。
すべてをまとめて、大局的な目で見てみると、
それぞれの作品がちゃんとパーツになって、
一つのアルチンボルド展を構成していた気がします。
まさに、展覧会そのものが、寄せ絵のようでした。
全体的には、意外と真面目で王道な印象。
個人的には、奇想の画家であることを強調し、
もう少し遊んだ演出があっても良かったような気もしましたが。
それでもなんでも、2017年夏、必見の展覧会です。
余談ですが。
展覧会の冒頭に、こんな面白いコーナーがありました。
その名も、アルチンボルドメーカー。
画面の前に立つと、自分の顔がアルチンボルド風に!
アルチンボルドに肖像画を描いて欲しかったすべての人に朗報の画期的なマシンです。
というわけで、僕も。
野菜顔の僕がそこに立っていて、何も言わずにこっちを見ている。
一生に一度の体験でした。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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いわゆる 「寄せ絵」 で知られる16世紀イタリアの画家ジュゼッペ・アルチンボルド。
その待望の日本初となる “アルチンボルド展” が、国立西洋美術館で開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
見どころは何と言っても、アルチンボルドを代表する連作 『四季』 のフルコンプ展示。
80種類以上の花々が描かれた 《春》 と、
ジュゼッペ・アルチンボルド 《春》 1563年 油彩/板 マドリード、王立サン・フェルナンド美術アカデミー美術館蔵
© Museo de la Real Academia de Bellas Artes de San Fernando. Madrid
カボチャやトウモロコシ、さくらんぼといった野菜や果物で構成された 《夏》 と、
ジュゼッペ・アルチンボルド 《夏》 1572年 油彩/カンヴァス デンバー美術館蔵
© Denver Art Museum Collection: Funds from Helen Dill bequest, 1961.56 Photo courtesy of the Denver Art Museum
茸や洋ナシ、葡萄など秋の味覚満載の 《秋》 と、
ジュゼッペ・アルチンボルド 《秋》 1572年 油彩/カンヴァス デンバー美術館蔵
© Denver Art Museum Collection: Funds from Helen Dill bequest, 1961.56 Photo courtesy of the Denver Art Museum
パッと見は枯れ果て苔むした老木にしか見えない 《冬》 とが、
ジュゼッペ・アルチンボルド 《冬》 1563年 油彩/板 ウィーン美術史美術館蔵
© Kunsthistorisches Museum, Wien
奇跡的に、日本に集結しています。
さすが、四季を楽しめる国・日本です。
さらに!
今回は、『四季』 と対になる連作 『四大元素』 もフルコンプされています。
《秋》 は、対応する 《大地》 と、
《冬》 は、対応する 《水》 と、
向かい合わせの形で展示された4組のペアが、4面の壁に展示されています。
この贅沢で濃厚な空間を味わえるだけでも、足を運ぶ価値は大いにありです!
『四季』 や 『四大元素』 も、もちろん良かったですが。
個人的にお気に入りなのは、アルチンボルドによる上下絵です。
ジュゼッペ・アルチンボルド 《コック/肉》 1570年頃 油彩/板 ストックホルム国立美術館蔵
© Photo: Bodil Karlsson/Nationalmuseum
上下絵とは、文字通り、上下逆さまにすると、別のイメージに見える絵のこと。
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是非、上で紹介した 《コック/肉》 を逆さまにして見てみてください。
あら不思議。
銀の皿に美味しそうな子ブタや鳥の丸焼きが乗った料理の絵が、
浅黒い肌をした男性肖像画に、あっという間に大変身してしまいました。
手の位置が妙なのは、ご愛敬。
前後期で、上下が逆になる予定は、今のところ無さそうなので。
展覧会では、脳内で上下回転させて楽しんでくださいませ。
また、素描作品ではありましたが、《自画像(紙の男)》 もお気に入りな1枚。
自分の顔を、画家の命=紙だけで表現するアイディアは、やはりただモノではありません。
さて、襟元に書かれた 「1587」 という数字は制作年、
額に書かれた 「61」 という数字は制作時のアルチンボルドの年齢を表しているのだとか。
紙に描かれいるため、当然、時間の経過とともに、紙に染みがつくわけですが。
もしかしたら、61歳の自画像なので、自身の顔の染みを、
いずれ紙に染みがつくことを見越して表現したのかもしれませんね。
ちなみに、アルチンボルド展ではありますが。
会場には、アルチンボルド以外にも、
アルチンボルドに大きく影響を与えたレオナルド・ダ・ヴィンチの作品や、
アルチンボルドと同時代に活躍した作家による寄せ絵など、
アルチンボルドに関連する作品も多数紹介されています。
一点一点見てみると、それぞれの作品はそこまでアルチンボルドと関係ないように思えましたが。
すべてをまとめて、大局的な目で見てみると、
それぞれの作品がちゃんとパーツになって、
一つのアルチンボルド展を構成していた気がします。
まさに、展覧会そのものが、寄せ絵のようでした。
全体的には、意外と真面目で王道な印象。
個人的には、奇想の画家であることを強調し、
もう少し遊んだ演出があっても良かったような気もしましたが。
それでもなんでも、2017年夏、必見の展覧会です。
余談ですが。
展覧会の冒頭に、こんな面白いコーナーがありました。
その名も、アルチンボルドメーカー。
画面の前に立つと、自分の顔がアルチンボルド風に!
アルチンボルドに肖像画を描いて欲しかったすべての人に朗報の画期的なマシンです。
というわけで、僕も。
野菜顔の僕がそこに立っていて、何も言わずにこっちを見ている。
一生に一度の体験でした。
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