名古屋市にあるヤマザキマザック美術館を初訪問してきました。
こちらは、2010年4月に開館したばかりの、
工作機械メーカーのヤマザキマザック株式会社が母体となった美術館です。
コレクションの核となるのは、日本ではなかなか目にする機会が少ないロココ時代の絵画作品。
マリー=アントワネットお抱えの女流画家ヴィジェ・ルブランの作品をはじめ、
ヴァトー、フラゴナール、ブーシェと “ロココの三羽烏” の作品も揃い踏み。
国内にこんな充実したロコココレクション (←ちょっと言いにくい) があっただなんて!
かなりの衝撃を受けました。
特に衝撃的だったのは、ブーシェの 《アウロラとケファロス》 という一品。
こちらの大作は、なんとあのルイ15世の愛人・ポンパドゥール夫人のために描かれたもの。
ポンパドゥール夫人の邸宅であるベルヴュー宮に飾られていたのだそうです。
まさか、それほどまでの作品を所蔵しているとは!
ヤマザキマザック美術館、恐るべし。
そうそう、ルイ15世の愛人と言えば、
マイイ夫人ことルイーズ=ジュリー・ド・ネールを描いた作品も。
ジャン=マルク・ナティエの 《狩りの衣を着たマイイ伯爵夫人》 です。
「えっ、ヒョウ柄?!」
と、一瞬、そのファッションセンスを疑ってしまったのですが。
どうやら、狩りの女神・ディアナに扮した (コスプレした?) 肖像画とのこと。
ホッとしました (←?)。
ちなみに、顔はちょっと高橋惠子似。
また、ヤマザキマザック美術館は、ロココ以降のフランス美術の蒐集にも力を入れています。
とりわけ、ナビ派やアール・ヌーヴォーのガラス作品、アンティーク家具が充実していました。
作品そのものも、もちろん素晴らしかったのですが。
シャンデリアや壁紙、無垢の床など、
徹底的にサロン風にこだわった内装の演出が素晴らしかったです。
音声ガイドが無料貸出というのも素晴らしい限り。
名古屋を訪れた際には足を運びたい、いや、一度は足を運ぶべき美術館です。
さて、そんなヤマザキマザック美術館では、
“もっと知りたい名画の世界 よそおいの200年” という特別展が開催中。
上で紹介したロココ時代の絵画を中心に、17世紀後半から20世紀初頭に描かれた絵画を、
当時のドレスや扇、化粧道具、ファッション・プレートなどと合わせて紹介する展覧会です。
詳細なパネルや音声ガイドの解説もあり、
ファッションに疎い僕でも十分に楽しむことが出来たのですが。
ヤマザキマザック美術館コレクション以外の、
今回の展覧会のために借りてきた絵画が、全体的にイマイチ。。。
正直なところ、「コレクション展の時に来ればよかったかも」 と思ってしまいました。
ちなみに、個人的に一番印象に残ったのは、ニコラ・ランクレの 《からかい》 という作品です。
寝ている人についイタズラしたくなるのは、古今東西、変わらないのですね (笑)
ツンツンする棒が思いのほか長めなので、目や鼻に入らないか、やや心配です。
良い子はマネしないように。
それから、ジャン=バティスト・ウードリの 《果物と野菜の静物》 も気になった一枚。
野菜が無造作に土の上に置かれているのは、ともかくも。
カットメロンを土の上に直置きしてしまう神経が理解不能。
あーぁ。
3秒ルールならセーフというレベルではありません。
最後にご紹介したいのは、美術館入り口に設置されていたアントワーヌ・ブールデルの彫刻です。
タイトルは、《アダム》 。
羞恥心はわかりますが・・・
隠すのそっちじゃないだろ!!
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