神奈川県立近代美術館 葉山 (通称:葉山館) を初訪問してきました。
こちらは、昨年、惜しまれつつ閉館した神奈川県立近代美術館 鎌倉 (通称:鎌倉館) の姉妹館です。
鎌倉館のシンボルだったイサム・ノグチの 《こけし》 は、閉館を機に葉山館にお引越し。
すっかり新居になじんでいました。
美術館が位置するのは、葉山の一色海岸のほど近く。
美術館の敷地からオーシャンビューが楽しめます。
・・・・・と、そんなロケーションだけに、
普通の美術館ではまず目にしない珍しい注意書きがありました (笑)
確かに、海パンで鑑賞している人がいたら、引きますよね。
さてさて、そんな葉山館で現在開催されているのは、“没後90年 萬鐵五郎展” という展覧会。
大正から昭和にかけて活動した画家・萬鐵五郎の20年ぶりとなる大々的な回顧展です。
これまでに幾度となくこのブログで、「大々的な回顧展」 というフレーズを使ってきましたが。
今回の萬鐵五郎展は、本当の本当に大々的でした。
出品総数は、なんと約400点です!
展示作品があまりに多すぎて、作品と作品の間のスペースがほとんどない状態。
萬鐵五郎作品がギッチギチ。
久しぶりに訪れた親戚の家の食卓くらいにギッチギチでした。
たくさん用意してくれたその気持ちは大変有難いのですが、
そんなにお腹に入らないので、もう少し減らしてくれても・・・という感じでした。
いやはや、嬉しい悲鳴です。
しかも、ただ量が多いだけではなく、
初期の作品から最晩年の作品 (未完) まで、バランスよく出展されています。
また、重要文化財に指定されている 《裸体美人》 や、
一度目にしたら忘れない強烈なインパクトの 《雲のある自画像》 をはじめ、
萬鐵五郎の代表作は、ほぼもれなく展示されていました。
萬鐵五郎の回顧展として、どう考えても、これ以上ないベストな形だったように思います。
これぞ、究極の萬鐵五郎展です。
今回の展覧会を通じて、一番驚かされたのは、萬鐵五郎作品の画風の幅広さ。
写実画のような作品もあれば、ゴッホやマティス風の絵や、ピカソ風のキュビスムな絵も。
さらには、抽象画を描いたり、版画や南画、水墨画に挑戦したり、と、とにかくマルチ。
名は体を表す。まさに “よろず” な画家です。
しかも、さらに驚きなのは、41歳という若さでこの世を去っているということ。
まさに、駆け抜けるような画家人生だったのですね。
ではでは、ここからは、印象的だった作品を、いくつかピックアップしてご紹介いたしましょう。
まずは、ゴッホの 《タンギー爺さん》 をパク・・・もとい、参考にしたという一枚。
《女の顔(ボアの女)》 です。
驚くほどにテンションが低いです。
そして、驚くほどに感情がありません。
心ここに非ず。
ちょっと余貴美子に似ています。
もしくは、友近。
続いて紹介したいのは、《風船を持つ女》 。
曲線は一切なし。
顔のカクカク感がハンパではありません。
たぶんタングラムを巧く組み合わせたら、この顔が作れるような気がします。
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カクカクしていたといえば、《赤い目の自画像》 も。
カクカクしている以上に、カラーリングがヤバいです。
どういう心理状況なのかわかりませんが、近づかないに越したことはありません。
じっと観ていたら、マーシーに見えてきました。
やはり近づかないに越したことはありません。
なんか不安定な感じの絵が続いたので、お次は可愛らしい作品をご紹介。
《宙腰の人》 です。
顔とかカラーリングは相変らず独特の不気味さはありますが。
ポージングが異常に可愛らしいです。
恋ダンスにこんな振りつけなかったでしたっけ?
ポーズだけに集中したら、ガッキーに見えてきました。
最後にご紹介したいのは、《仁丹とガス灯》。
仁丹のネオン看板とガス灯の眩しい光を表現した一枚なのだとか。
「仁丹」 の文字のインパクトが強すぎて、他が一切頭に入ってきません (笑)
人生で初めて、仁丹を買ってみたくなりました。
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没後90年 萬鐵五郎展
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