鹿児島県霧島アートの森に行ってきました。
こちらは、2000年にオープンした鹿児島県立の美術館です。
霧島山麓の標高約700メートルの高原に位置しているため、車で行くのも一苦労。
延々と続く山道に、
“本当に、こんなところに美術館があるのか?” と、何度も不安になりました。
そんな不安と戦いながら、しばらく運転すると、
見覚えがあるカラーリングの作品が目に飛び込んできました!
「あ、着いた!」
迎えてくれたのは、草間彌生さんの作品。
今回ほど草間作品を目にして、ホッとしたことはありません (笑)
さて、写真の奥に見えるアートホールという建物を抜けた先が・・・
鹿児島県霧島アートの森の真骨頂。
約13万㎡もの広大な敷地内に、ジョナサン・ボロフスキーをはじめ、
フィリップ・キング、
チェ・ジョンファといった、
世界各国のアーティストの彫刻作品が常設展示されています。
コンセプトは、某彫刻の森美術館に似ている気もしますが、
あちらの美術館よりも、ゆったりとしたスペースで展示されている印象を受けました。
野外展示作品の数は全部で23点とそう多くはないですが、その分、解放感があります。
実に気持ちの良い空間でした。
・・・・・・・原っぱのほうは。
鹿児島県霧島アートの森というだけに、森の中にもアート作品が展示されています。
僕が訪れた時期が夏真っ盛りだったため、
樹木ゾーンの彫刻作品を鑑賞している最中、
ずっと蚊に苦しめられました。。。
耳元でぶんぶんうるさいわ、
視界を遮るように飛び回るわ、
顔や首元、腕が痒くなるわ、さんざんでした。
「世界各国の彫刻家の作品を五感で楽しむ美術館」 と案内にありましたが。
必要以上に五感は刺激されました。
ちなみに、一番辛かったのは、アントニー・ゴームリーの作品の鑑賞時です。
「林の中に、かくれるようにして5体の人物像が立っています。」 とのこと。
大量の蚊と格闘しながら、林に潜んだ彫刻作品を見つけなくてはなりません。
軍隊の訓練かっ!
どうにかこうにか5体の人物像を発見しましたが。
途中何度、“もう鑑賞しないで帰りたい・・・(泣)” という考えがよぎったことでしょうか。
アートテラー史上初めて、アートが少しだけ嫌いになりました。
とは言え、その直後に鑑賞した 《ベレシート(初めに)》 という、
ダニ・カラヴァンによる眺望を切り取るトンネル型の作品に感銘を受けたので、相殺。
やっぱりアートは素晴らしいです。
と、野外彫刻をすっかり楽しんだあとは、アートホールで開催中の・・・
“森本千絵×中島信也〈森の中〉展~広告づくりの頭の中はアートの森~” へ。
こちらは、広告やデザインの第一線で活躍する2人のクリエーター、
森本千絵さんと中島信也さんの2人の多彩な仕事ぶりを紹介する展覧会です。
会場は、森本千絵さんと中島信也さん、それぞれの部屋に別れています。
まずは、日清食品カップヌードルのCMや、
サントリー伊右衛門のCMで知られる、
CM作りの天才・中島信也さんの部屋から。
こちらには、中島さんがこれまでに手掛けたCMの絵コンテの数々や、
中島さん自身が紙粘土で作った 「CMができるまで」 を紹介した造形物が展示されていました。
CM好きにはたまらない展示となっています。
ちなみに、この展覧会のCMを手掛けたのも中島さんです。
続いては、Mr.Childrenの 『HOME』 のジャケットや、
HOME(通常盤)/トイズファクトリー
KIRIN 「8月のキリン」 のパッケージデザインを手掛けた森本千絵さんの部屋。
こちらには、絢香の 『THIS IS ME ~絢香 10th anniversary BEST~』 のジャケットに使われた・・・
THIS IS ME ~絢香 10th anniversary BEST~(CD3枚組+DVD)/A stAtion
実物のセット、その名も 《楽木》 や、
三谷幸喜の舞台 『声』 に合わせて作られた、その名も 《受話木》 などが展示されていました。
特に強烈なインパクトだったのは、ユーミンのアルバム 『宇宙図書館』 のジャケットに使われた・・・
宇宙図書館(通常盤)/Universal Music =music=
実物のセット。
どこからこんな強烈なアイディアが生まれてくるのか。
じっと向き合っていたら、クラクラしてきました。
そんじょそこらのアーティストよりも、よっぽどアートな作品を生み出している2人。
これまでに美術館で大々的な展覧会が開催されていなかったのが、むしろ不思議なくらいでした。
この2人に着目した鹿児島県霧島アートの森のアイディア勝ちな展覧会です。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
森本千絵×中島信也〈森の中〉展
↧