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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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上村松園―美人画の精華―

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きれいなおねえさんは、好きですか。

「はい。」 と答えた全ての皆様にオススメしたいのが、
現在、山種美術館で開催されている “上村松園―美人画の精華―” という企画展です。

松園
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


会場には、美人画の名手として知られる上村松園の名品を中心に、

蛍
上村松園 《蛍》 1913(大正2)年 絹本・彩色 山種美術館


美人を題材にした浮世絵や、

歌麿
喜多川歌麿 《青楼七小町 鶴屋内 篠原》 1794-95(寛政6-7)年頃 大判錦絵 山種美術館 (注:展示は8/29~9/24まで)


近代日本画の巨匠たちが描いた美人画たちが勢ぞろい。

小林古径
小林古径 《河風》 (部分) 1915(大正4)年 絹本・彩色 山種美術館


まるで日本美術版のミスコンテストとでもいうべき目にも華やかな展覧会です。
心ゆくまで、ジロジロご覧くださいませ。
星星


さてさて、今展の見どころはやはり何と言っても、
山種美術館が誇る日本屈指の上村松園コレクション。
全18点が余すことなく一挙に公開されていました。

表具


もちろん描かれている女性は、容姿だけでなく仕草までもお美しいですし、
絵の中の女性たちが身にまとっている着物も、色や柄、取り合わせなどもお美しいです。
しかし、実際の上村松園作品を目にする際に、より注目して頂きたいのが、表具。
松園自身が細部までこだわって注文したというその表具は、
日本美術界でもっとも美しい表具と言っても過言ではありません。

会場


全18点の中で特に見逃せないのが、《夏美人》 の表具です。

夏美人


他の松園作品と比べてしまうと、どうにも地味な印象の小品ですが。
実は、この全体に使われている裂地が、超貴重なもの。
あまりに超貴重ゆえに、普通は、一部にちょろっと使う程度なのだそうです。

(実際、そのように使っている松園作品も展示されていました↓)
松園


しかし、《夏美人》 では、そんな貴重な裂地が贅沢に使われています。
意外とお金のかかっている女性なのです (←?)。




ちなみに、こちらの 《春芳》 の表具に関しては、なんかケバケバした印象を受けました。

春芳


たまには松園もこういうパンクな気分の日もあるのかなと思ったら。
どうやらこの表具は、東京の表具屋が仕立てた可能性が高いとのことでした。
表具に関しては、関西のほうが大人しめで、関東のほうが派手なのだそうです。
オバチャンのファッションとは、逆なのですね。




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