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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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博物館でアジアの旅 マジカル・アジア

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現在、東京国立博物館の東洋館では、
“博物館でアジアの旅 マジカル・アジア” という展覧会が開催中です。

マジカル


「マジカルアジア」 というタイトルを聞いて、
世代的に、どうしても板東英二の顔がチラついてしまいましたが、全く関係ありませんでした。
アジア各地を中心に、吉祥や魔除け、呪いなど、
目に見えないマジカルなパワーにまつわる作品を紹介したものです。

館内の一室で開催されているのではなく、東洋館の全体で偏在的に開催されていました。
「マジカル・アジア」 のキャプションを探しながら、東洋館を冒険する感じです。

マジカル
マジカル


この展覧会に合わせて、展示されている珍しい作品ももちろんありましたが。
ほぼずっと東洋館で展示されている作品もありました。
しかしながら、それらの作品に 「マジカル」 というフックが付くだけで、
普段以上にマジマジと見たくなるし、実際にマジマジと見てしまうから不思議です。
これぞ、マジカル。
企画のアイディアが秀逸な展覧会でした。
星星


今回紹介されていたマジカルな作品の中で印象的だったものを、いくつかご紹介いたしましょう。
まずは、《加彩舞女》 から。

加彩舞女


どことなく魔法少女っぽい。
そして、どことなく美少女フィギュアっぽい。
どことなくアキバ系っぽいのに、3~4世紀のものというから驚きました。


またフィギュアっぽいといえば、仏教の最終形態であるチベット密教の仏像たちも。

チベット密教
チベット密教


最終形態感 (?) がハンパではありませんでした。
確実に、ラスボス。
勝てる気がしません。
妖怪キョンシーを退治する道具としても知られる 《銭剣》 があれば、どうにか倒せるかも。

銭剣


続いて紹介したいのは、パプアニューギニアの 《首架動物文様経絣》 です。

首架動物文様経絣
首架動物文様経絣


“ほのぼのと素朴で可愛らしい柄だなぁ♪” と思いきや、
狩られた首が、台の上に並んでいる様を表した柄とのこと。
何このゆるキャラ風味。


同じくパプアニューギニアの 《肖像頭蓋骨》(写真右) も、かなりの衝撃のブツ。

肖像頭蓋骨


亡くなった首長の頭蓋骨には霊魂が宿ると考えられており、
そのホンモノの頭蓋骨に彩色を施し、生前の姿を再現して大切に祀ったものなのだそうです。
まさか、この首長も遠い日本の地で展示ケースに入れられるとは思ってもみなかったことでしょう。
ちなみに、どうでもいいですが、トレンディエンジェルのたかしに、ちょっと似ている気がしました。


最後に、展示されるというニュースが流れて、
ネットがザワついている今回もっとも衝撃的な展示品をご紹介いたします。
それが、こちら↓

呪い


ホンモノの 《呪咀人形》 です。
なんでも、もともとは明治10年に上野公園の銀杏の樹に打ち付けられていたものとのこと。
それを発見した学芸員さんによって採取され、
東京国立博物館のコレクションの一つとなったのだそうです。
呪った人ももちろん怖いですが。
「これはコレクションになる!」 と、
妙な学芸員魂を発揮してしまったその学芸員のほうが、よっぽど怖いです。
教訓:呪いの人形を打ち付けるなら、上野公園以外で。




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