目黒川に、やって来ました。
春には、満開の桜で賑わう、この目黒川の辺りも、
桜の花がすべて葉に変わった今は、すっかり落ち着いた空気に。
確かに、桜の花が咲いていないと、目黒川は、何か物足りないですね (笑)
“飛ばねぇ豚は、ただの豚だ。” というように、
“桜のねぇ目黒川は、ただの川だ。” といった感じです。
しかし、そんな目黒川のほとりに、
一年中、 “桜” が見られる美術館が、今年の3月末にオープンしたとのこと。
それが、こちらの郷さくら美術館 東京↓
ちょっと変わった外観です。
近寄って見てみると・・・
美術館のロゴがモチーフとなっているタイルが、無数に積み上がっているのがわかります。
奇抜すぎず、地味すぎず。
なかなかに、オシャレです。
内部は、オープンしたてということもあって、とても綺麗。
新築の家独特の匂いが、充満していました (笑)
と、そんな郷さくら美術館 東京ですが、
何でも、もともとは、福島県に、郷さくら美術館があるそうで。
こちらは、その東京別館 (←?) 的な位置づけなのだとか。
ちなみに、コレクションの核となるのは、昭和生まれの日本画家の作品で、約500点ほど。
有名どころでは、加山又造や中島千波、千住博の作品がありました。
現在は、 “現代日本画の精華” というテーマでコレクション展が開催中。
展示室3階が、 『花木画展』 。
展示室2階が、 『動物画展』 。
そして、展示室1階が、 『桜の饗宴』 となっており、
各フロアごとに違ったミニ企画展が開催されているような状態です。
やはり、目を惹かれたのは、展示室1階の 『桜の饗宴』
中島千波さんの 《春夜三春の瀧桜》 をはじめ、
様々な日本画家による桜たちが、会場に咲き乱れていました。
会場が、そう広くもないこともあって、
その桜の密度の濃さに、ノックアウト寸前!
こんなにも、桜を味わえる美術館は、そうそうないのではないでしょうか。
さすが、美術館名に、 “さくら” を名乗るだけはあります。
ただ、1点1点に目を向けた時に、
そこまで、心に残るほどの名作に出合えなかったのは、残念。
加山又造の 《淡月》 だけは、別格で素晴らしかったですが。
あとの桜作品は、あくまで個人的には、5分咲き程度。
“質より量” の桜の美術展という印象でした。
他の階も、また同じような感じで。
やはり心にガツンと来るまでの作品には、そうそう出合えず。
あと1週間もしたら、
「どんな作品があったんだっけ?」
と、記憶から散ってしまいそうな作品が多かった気がします。
(決して、悪い作品ではないのですが!)
唯一、心に残ったのは、
3階で出合った牧進さんの 《芙蓉》 という一枚。
上品な中にも、花の生命力を感じられる作品でした。
凛とした強さ、芯のある強さと言いますか。
ともあれ。
これまで、美術館が無かった中目黒に、美術館がオープンしたのは、純粋に嬉しいこと。
今後も、この地で、桜の絵画を咲き誇らせ続けて頂きたいものです。
期待を込めて、1つ星。
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現代日本画の精華
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