今月と来月、前期と後期に渡って、
太田記念美術館で開催されているのは、“没後150年記念 菊川英山” という展覧会。
東京では実に32年ぶりとなる菊川英山 (1787~1867) の回顧展です。
よく言えば、知る人ぞ知る浮世絵師。
悪く言えば、知る人しか知らないマイナーな浮世絵師。
それが、菊川英山。
作者不詳 《菊川英山実像》
ちなみに、ゴッホの 《花魁(溪斎英泉による)》 の元ネタとなった 《雲龍打掛の花魁》 の作者、
溪斎英泉は、「英」 の一字があることからも、なんとなく想像がつくように菊川英山の弟子です。
英山が浮世絵師デビューを果たしたのは、喜多川歌麿が人気絶頂のさなか、急死した頃。
その時代の英山は、世のニーズに合わせて、歌麿風の美人画を描きました。
《青楼名君花合 丁子屋内丁山 錦戸》
「菊川英山」 というサインがなかったら、
歌麿の作品と言われても、気づかないほど、歌麿風です。
実際、「菊川英山」 のサインを消して、歌麿作品として出回っているものもあるとかないとか。
その後、歌麿風のスタイルとは決別して、
自分なりの美人画のスタイルを確立します。
現代人の感覚からすると、歌麿の美人画と全然大差がないように思えますが (笑)
歌麿の描く美人が8頭身 (時には10頭身) の超スーパーモデル体型だったのに対し、
菊川英山の描く美人は、もう少し現実味のある6頭身くらいのプロポーションをしています。
さらに、目が黒目がちに。
これでもクリクリしているのです。
今回初めて、菊川英山の浮世絵をまとめて鑑賞しましたが。
よくも悪くも、クセがない美人画という印象を受けました。
おそらく英山の美人画をめちゃめちゃ嫌いという人は、いないはず。
でも、英山の美人画をめちゃめちゃ好きという人も、いないはずです。
ちなみに、32年もの間、日の目を見る機会がなかったのは、英山にとっては悲しいことですが。
鑑賞する僕らにとっては、嬉しい話。
《せい桜むたま川のうち むさし 大文字屋内 ひともと》
展示される機会が少なかった分、保存状態が最高なのです。
色が褪せやすい紫色や青色も、ほとんど当時の色合いのまま残っています。
浮世絵の美しい色彩を楽しむには、ベストの展覧会です。
ちなみに、基本的にはクセがない美人画が多かったですが。
時には、クセのある作品もありました。
例えば、《江戸の華役者ひいき 坂東秀桂》。
アゴのしゃくれ方は、やや悪意を感じるレベルです。
この世のものとは思えない輪郭をしています。
また、《風流花鳥風月内 月》 も、なかなかクセのある作品でした。
一見すると、特に普通の美人画ですが、左上の鳥の群れを思わず二度見。
鳥というよりも、「人」 という漢字でした。
たくさんの 「人」 が飛んでいる。
なんともシュールな光景です。
シュールな光景と言えば、《山王御祭札》 も。
赤の花軍ve黄色の花軍の相撲対決?
おそらく男性でしょうが、髪型からは女性にも見えます。
ボディースーツ?
紅白歌合戦のDJ OZMA的な?
いろいろと謎な浮世絵です。
最後に、ご紹介したいのは、《青楼美人雪月花 扇屋内 花窓》。
どうやら、江戸時代、雪だるまは、本当に達磨さんをモチーフにしていた模様。
しかも、ちゃんと筆で仕上げていたのですね。
本格派。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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太田記念美術館で開催されているのは、“没後150年記念 菊川英山” という展覧会。
東京では実に32年ぶりとなる菊川英山 (1787~1867) の回顧展です。
よく言えば、知る人ぞ知る浮世絵師。
悪く言えば、知る人しか知らないマイナーな浮世絵師。
それが、菊川英山。
作者不詳 《菊川英山実像》
ちなみに、ゴッホの 《花魁(溪斎英泉による)》 の元ネタとなった 《雲龍打掛の花魁》 の作者、
溪斎英泉は、「英」 の一字があることからも、なんとなく想像がつくように菊川英山の弟子です。
英山が浮世絵師デビューを果たしたのは、喜多川歌麿が人気絶頂のさなか、急死した頃。
その時代の英山は、世のニーズに合わせて、歌麿風の美人画を描きました。
《青楼名君花合 丁子屋内丁山 錦戸》
「菊川英山」 というサインがなかったら、
歌麿の作品と言われても、気づかないほど、歌麿風です。
実際、「菊川英山」 のサインを消して、歌麿作品として出回っているものもあるとかないとか。
その後、歌麿風のスタイルとは決別して、
自分なりの美人画のスタイルを確立します。
現代人の感覚からすると、歌麿の美人画と全然大差がないように思えますが (笑)
歌麿の描く美人が8頭身 (時には10頭身) の超スーパーモデル体型だったのに対し、
菊川英山の描く美人は、もう少し現実味のある6頭身くらいのプロポーションをしています。
さらに、目が黒目がちに。
これでもクリクリしているのです。
今回初めて、菊川英山の浮世絵をまとめて鑑賞しましたが。
よくも悪くも、クセがない美人画という印象を受けました。
おそらく英山の美人画をめちゃめちゃ嫌いという人は、いないはず。
でも、英山の美人画をめちゃめちゃ好きという人も、いないはずです。
ちなみに、32年もの間、日の目を見る機会がなかったのは、英山にとっては悲しいことですが。
鑑賞する僕らにとっては、嬉しい話。
《せい桜むたま川のうち むさし 大文字屋内 ひともと》
展示される機会が少なかった分、保存状態が最高なのです。
色が褪せやすい紫色や青色も、ほとんど当時の色合いのまま残っています。
浮世絵の美しい色彩を楽しむには、ベストの展覧会です。
ちなみに、基本的にはクセがない美人画が多かったですが。
時には、クセのある作品もありました。
例えば、《江戸の華役者ひいき 坂東秀桂》。
アゴのしゃくれ方は、やや悪意を感じるレベルです。
この世のものとは思えない輪郭をしています。
また、《風流花鳥風月内 月》 も、なかなかクセのある作品でした。
一見すると、特に普通の美人画ですが、左上の鳥の群れを思わず二度見。
鳥というよりも、「人」 という漢字でした。
たくさんの 「人」 が飛んでいる。
なんともシュールな光景です。
シュールな光景と言えば、《山王御祭札》 も。
赤の花軍ve黄色の花軍の相撲対決?
おそらく男性でしょうが、髪型からは女性にも見えます。
ボディースーツ?
紅白歌合戦のDJ OZMA的な?
いろいろと謎な浮世絵です。
最後に、ご紹介したいのは、《青楼美人雪月花 扇屋内 花窓》。
どうやら、江戸時代、雪だるまは、本当に達磨さんをモチーフにしていた模様。
しかも、ちゃんと筆で仕上げていたのですね。
本格派。
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