現在、サントリー美術館で開催されているのは、
“フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年” という展覧会。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、今なおヨーロッパ磁器の最高峰として君臨するセーヴル磁器、
その300年の歩みを名品の数々とともに紹介する日本初の大々的な展覧会です。
まず展覧会のスタートを飾るのは、18世紀のセーヴル磁器。
ポンパドゥール夫人やマリー・アントワネットといった、
宮廷人たちの心を虜にした食器セット、壺、テーブルセンターピースなどが紹介されています。
会場には、豪華絢爛でラグジュアリーな磁器がズラリ。
思わず、花輪くんが自慢話をするときに流れているあのBGMが脳内で再生されました。
“こういうお上品な展覧会は、マダムが喜びそうだなァ”
・・・と、ここまでは想定の範囲内だったのですが。
続く、19世紀のセーヴル磁器では、
鳥類学や植物学などの知見が加わった博物学的な磁器が登場したり、
20世紀に入ると、アール・ヌーヴォーやアール・デコのデザインを取り入れていたり。
僕がこれまでに抱いていたイメージとは違う、セーヴル磁器が続々登場。
時代や流行とともに、こんなにも変化し続けていたとは!
決して、ただのお上品な磁器ではありませんでした。
前言撤回。
マダム以外も楽しめる展覧会でした。
特に個人的に一番惹かれたのは、現代のセーヴルを紹介するコーナー。
動く彫刻モビールの生みの親アレクサンダー・カルダーや、
フランスを代表する抽象画家ピエール・スーラージュといった、
一流アーティストとコラボしたセーヴル磁器の数々が紹介されていました。
その中には、日本を代表するあのアーティストとのコラボ作品も。
水玉がなかったので、パッと見では誰の作品かわかりませんでしたが。
背後に周ると、これでもかというくらいにデカデカとサインがありました (笑)
また、こんなコラボのセーヴル磁器も。
なんとなく、どこぞの百貨店のショッピングバッグっぽいなぁ、と思ったら。
やっぱり、人間国宝の友禅作家・森口邦彦さんのデザインによるものでした。
ちなみに。
現代のセーヴル磁器は、かなりアヴァンギャルドでしたが。
もっともアヴァンギャルドだったのは、こちらのボウル。
意外にも、18世紀製です。
その名も、《マリー・アントワネットのための乳房のボウル》。
マリーアントワネットのために制作されたカフェオレボウルで、おっぱいの形をしています。
色と形の再現度 (?) の高さは、思わず笑ってしまうレベル。
最高峰の技術を使って、何を作っているのやら。
歴史に残る “公式が病気” 作品です。
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フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年
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