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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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オルビス30周年記念 「ケの美」展

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今年2017年は、ポーラの通販部門として設立したオルビスが創業して30年の節目の年。
それを記念して、ポーラミュージアムアネックスでは、
現在、“オルビス30周年記念 「ケの美」展” が開催されています。

ケ6


こちらは、意外にもオルビス初となる展覧会。
そんな 「ハレ」 の機会にもかかわらず、
あえて 「ハレ」 とは正反対の概念である 「ケ」 に注目した展覧会で、
第一線で活躍するクリエイターたちそれぞれが考える 「ケ」 の美を紹介するものです。

ケ


参加クリエイターは、全部で14名。
根津美術館やサントリー美術館などの設計でおなじみの建築家の隈研吾さんから、

隈研吾


『食堂かたつむり』 『ツバキ文具店』 で知られる作家の小川糸さん、

小川糸


くまモンの生みの親でもある放送作家・小山薫堂さんまで。

小山薫堂


実に、多種多様なジャンルの豪華なメンバーが勢ぞろいしています。
参加メンバーは、全然 「ケ」 でなく、「ハレ」 でした。
ちなみに、小山薫堂さんが考える 「ケ」 の美が、こちら↓

狐桶


京都の職人に特別に作らせたという狐桶だそうです。
さすが、センスが光っています。
が、特別に作らせたという時点で、それは 「ハレ」 なのでは?
そういう意味では、全体的に、
今一つルール (?) がわかりにくい、しっくりこない展覧会ではありました。

また、「ケ」 の美を紹介する展覧会なので、当然と言えば当然なのですが。
イラストレーターの塩川いづみさんのクマのポーチのように。

くま


鑑賞したところで、

「・・・・・・・・・・・・うん。」

としかならないものも多かったです。


「ケ」 の美に着目するというアイディアは非常に面白かったのですが。
展覧会として楽しむような内容ではなく、
『BRUTUS』 とか 『Pen』 とか雑誌の特集でいいような気がしてなりませんでした。
やっぱり、展覧会は、「ケ」 でなく 「ハレ」 でないと。

とは言え、「ケ」 の美について考えるきっかけとなった良い機会。
星
せっかくなので、帰宅後、自分の家にある 「ケ」 の美を探してみました。

ここまで、どちらかと言えば、ネガティブな意見をまき散らしているので、
絶対に、“「ケの美」展” の続編があっても、絶対に僕にオファーは来ないでしょうが (笑)
僕が思う 「ケの美」 は、こちら↓

鍋敷き


数年前に、とある北欧雑貨店で購入した鍋敷きです。
デザインに、一目惚れしました。
この鍋敷きがあれば、日常生活が楽しくなるだろうなぁと、即購入したわけですが。
一人暮らしゆえ、鍋敷きを使うタイミングなど一度もなく。
いまだに未使用のままです。
いつか当たり前に使う 「ケ」 が来るのを信じて、大切にしています。

それから、この爪切り。

爪切り


実家にいる時から使っていた爪切りです。
実家を出るときに、なぜかこの爪切りを母から手渡されました。
なので、生まれてから今日までずっと、この爪切りにお世話になっています。
それゆえ、僕にとって爪切りは、青い花が描かれているものなのです。
ただ、冷静に考えると、なぜに青い花?
てか、そもそも、何の花?
人生に当たり前に定着していた 「ケの美」 が、34年目にして初めてグラつきました。




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