誰が言ったか、「公募展のふるさと」 こと東京都美術館では、
来年1月6日まで、“現代の写実―映像を超えて” という展覧会が開催されています。
こちらは、現在、公募団体で活躍している作家を紹介するシリーズ、
「上野アーティストプロジェクト」 の記念すべき初回を飾る展覧会で、
『現代の写実』 という観点から選抜された9人の画家の作品が紹介されています。
静物画を得意とする期待の新星・小森隼人さんや、
施設や工場など建築物の廃墟を得意とする若手の注目株・橋本大輔さん、
今年7月に発売された初の画集が好評で熱い注目を集めている塩谷亮さんといった、
王道を征くタイプの写実画家の作品も紹介されていましたが。
琳派の精神を現代に受け継ぐ気鋭の日本画家・岩田壮平さんの作品や、
日本全国のローカル線を巡って描いている鉄道大好きな日本画家・小田野尚之さん、
一貫して、「人間の脳」 をテーマにした作品を制作し続ける佐々木里加さんの作品といった、
ホキ美術館では見たことがないタイプの写実絵画も多数紹介されていました。
それらの中でも、特にパンチが効いていたのは、
巨大な絵画を制作し続けているという稲垣考二さんの作品です。
今回出展されていた 《三面》 は、超特大。
近くで観ると、何だか色んな要素がゴチャゴチャ描かれている絵にしか見えませんが。
10メートルくらい離れてみると・・・
人の顔であることがわかります!
アルチンボルド風!
モデルは左から稲垣さんの息子さん、娘さん、奥さんとのこと。
どエラい描かれようです。
ちなみに、担当学芸員さんは、この作品を国立新美術館の公募展で初めて目にした際に、
この大きい作品を活かせるのは、東京都美術館の吹き抜けの展示空間だと強く思ったのだそう。
確かに、近くで観るだけでなく、引きで観ないと全貌が明らかにならない作品です。
近くで観れば、当然インパクトが強いわけですが。
かなり引いた位置に立っても、そのインパクトは減りません。
不思議なことに、むしろ増していたかも。
また、担当学芸員さんが関西で発掘してきたという蛭田美保子さんもインパクト大の画家でした。
東京の美術館で大々的に紹介されるのは今回が初めてとのこと。
しかも、ポスターには、彼女の作品が採用されています。
まさに大抜擢、シンデレラガールです。
丸ナスがトマトを食べていたり、
巨大なトウモロコシがアクセサリーを付けていたり。
なんともシュルレアリスム風なのですが、想像の世界を描いたわけではないそうです。
蛭田さんが自分で食材を買ってきて、料理をして、
それらを自由に組み合わせたものを、写実的に描いているのだとか。
蛭田さんの家なのかアトリエなのかでは、現実に存在している光景なのです。
出展作の中には、巻き寿司が着物を纏っているものも。
何がどうなったら、こういう発想が生まれるのか。
巻き寿司に着物を着せてみようと思うのか。
発想力が、斜め上にいきすぎています。
これらの食材は、この後蛭田さんがおいしく頂いたのでしょう。たぶん。
最後に、個人的に一番惹かれた作家をご紹介。
版画家の元田久治さんです。
彼の手にかかると東京の街並みも、
世界のランドマークも、廃墟と化してしまいます。
水道橋界隈もご覧の通り。
東京ドームも大変なことになっていますが、
サンダードルフィンも大変なことになっています。
「後楽園ゆうえんちで僕と握手」 どころではありません。
個性豊かな作家を知れたことも収穫でしたが。
(これまでなんとなく足がむかなかった) 公募展に行けば、
こんな面白い作品にも出会えるかもしれないということが知れたのは、もっと収穫でした。
ちなみに、“ゴッホ展 巡りゆく日本の夢” の半券があれば、無料で観られるようです。
太っ腹!
そうそう、東京都美術館といえば、先日、SPICEのコラム記事でお世話になりました。
お時間のある方、良かったら読んでみてくださいませ↓
美術館を擬人化してみた~「東京都美術館」編~
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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来年1月6日まで、“現代の写実―映像を超えて” という展覧会が開催されています。
こちらは、現在、公募団体で活躍している作家を紹介するシリーズ、
「上野アーティストプロジェクト」 の記念すべき初回を飾る展覧会で、
『現代の写実』 という観点から選抜された9人の画家の作品が紹介されています。
静物画を得意とする期待の新星・小森隼人さんや、
施設や工場など建築物の廃墟を得意とする若手の注目株・橋本大輔さん、
今年7月に発売された初の画集が好評で熱い注目を集めている塩谷亮さんといった、
王道を征くタイプの写実画家の作品も紹介されていましたが。
琳派の精神を現代に受け継ぐ気鋭の日本画家・岩田壮平さんの作品や、
日本全国のローカル線を巡って描いている鉄道大好きな日本画家・小田野尚之さん、
一貫して、「人間の脳」 をテーマにした作品を制作し続ける佐々木里加さんの作品といった、
ホキ美術館では見たことがないタイプの写実絵画も多数紹介されていました。
それらの中でも、特にパンチが効いていたのは、
巨大な絵画を制作し続けているという稲垣考二さんの作品です。
今回出展されていた 《三面》 は、超特大。
近くで観ると、何だか色んな要素がゴチャゴチャ描かれている絵にしか見えませんが。
10メートルくらい離れてみると・・・
人の顔であることがわかります!
アルチンボルド風!
モデルは左から稲垣さんの息子さん、娘さん、奥さんとのこと。
どエラい描かれようです。
ちなみに、担当学芸員さんは、この作品を国立新美術館の公募展で初めて目にした際に、
この大きい作品を活かせるのは、東京都美術館の吹き抜けの展示空間だと強く思ったのだそう。
確かに、近くで観るだけでなく、引きで観ないと全貌が明らかにならない作品です。
近くで観れば、当然インパクトが強いわけですが。
かなり引いた位置に立っても、そのインパクトは減りません。
不思議なことに、むしろ増していたかも。
また、担当学芸員さんが関西で発掘してきたという蛭田美保子さんもインパクト大の画家でした。
東京の美術館で大々的に紹介されるのは今回が初めてとのこと。
しかも、ポスターには、彼女の作品が採用されています。
まさに大抜擢、シンデレラガールです。
丸ナスがトマトを食べていたり、
巨大なトウモロコシがアクセサリーを付けていたり。
なんともシュルレアリスム風なのですが、想像の世界を描いたわけではないそうです。
蛭田さんが自分で食材を買ってきて、料理をして、
それらを自由に組み合わせたものを、写実的に描いているのだとか。
蛭田さんの家なのかアトリエなのかでは、現実に存在している光景なのです。
出展作の中には、巻き寿司が着物を纏っているものも。
何がどうなったら、こういう発想が生まれるのか。
巻き寿司に着物を着せてみようと思うのか。
発想力が、斜め上にいきすぎています。
これらの食材は、この後蛭田さんがおいしく頂いたのでしょう。たぶん。
最後に、個人的に一番惹かれた作家をご紹介。
版画家の元田久治さんです。
彼の手にかかると東京の街並みも、
世界のランドマークも、廃墟と化してしまいます。
水道橋界隈もご覧の通り。
東京ドームも大変なことになっていますが、
サンダードルフィンも大変なことになっています。
「後楽園ゆうえんちで僕と握手」 どころではありません。
個性豊かな作家を知れたことも収穫でしたが。
(これまでなんとなく足がむかなかった) 公募展に行けば、
こんな面白い作品にも出会えるかもしれないということが知れたのは、もっと収穫でした。
ちなみに、“ゴッホ展 巡りゆく日本の夢” の半券があれば、無料で観られるようです。
太っ腹!
そうそう、東京都美術館といえば、先日、SPICEのコラム記事でお世話になりました。
お時間のある方、良かったら読んでみてくださいませ↓
美術館を擬人化してみた~「東京都美術館」編~
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